今、将棋界が空前のブームになっている。史上最年少でプロ棋士になった藤井聡太四段(14)が無敗のまま連勝記録を更新すれば、そのデビュー戦の相手となったレジェンド、“ひふみん”こと加藤一二三九段(77)が引退。絶対王者として君臨する羽生善治三冠も健在と、もはや漫画を超える設定がそろっている。そこで、最近の将棋界を週刊少年ジャンプの名作に例えて、そのすさまじさを考えてみた。
◆天才中学生(藤井聡太四段は14歳・中学3年生)
「中学生」「棋士」というワードで連想されるのは、同じく囲碁ブームの火付け役となった大ヒット作「ヒカルの碁」だ。主人公の進藤ヒカルは、小学6年生時に囲碁を始め、中学2年の秋にプロ試験に合格。中学2年でプロ入りは、2016年10月に四段に昇段しプロとなった藤井四段と一緒だ。ちなみに、天才中学生という意味では名作「幽☆遊☆白書」の主人公・浦飯幽助も一緒。こちらは霊力使い、格闘の天才か。
◆かつての最年少プロ、現在の現役最年長が引退(加藤一二三九段が引退)
そもそも少年漫画には「継承」「修行」「弟子」といった設定が多い。「ドラゴンボール」であれば、主人公・孫悟空の最初の師匠・亀仙人は、一度は天下一武闘会で優勝するも、その後は若き戦士の台頭を感じ、戦いの最中に自ら負けを選択し、その後は一線を退く。その他の作品では、かつての達人たちが、まだ成長しきっていない主人公を敵からかばい深手を負うといったシーンも多いのが特徴だ。
◆新記録をかけた決戦が10代同士(29連勝時に戦った増田康宏四段も19歳)
少年漫画らしく、主人公が少年であることが多いため、物語のクライマックスも10代同士の対決は多い。ボクシング漫画「リングにかけろ」では、中学生の主人公・高嶺竜児が、世界各国にいる数々の強敵を倒しながら成長。中学卒業後、進学せずにプロ転向すると、ひとあし先にプロ転向し世界チャンピオンになっていた1つ年上の剣崎順と、いきなりタイトルマッチを行っている。このほかヒーロー漫画では、場合によって世界(地球・宇宙)の命運をかけた戦いを繰り広げることもある。
◆生ける伝説「檜舞台で会おう」(29連勝時に羽生善治三冠がコメント)
憧れの人、伝説の達人などとの対決、再会を目的にしたストーリーも多い。大ヒット作「ONE PIECE」では、主人公ルフィが幼いころに憧れた赤髭のシャンクスが、村を離れる際に「いつかきっと返しに来い 立派な海賊になってな」と、麦わら帽子を託すシーンは有名。
◆対戦相手がスイス・ジュネーブ生まれの22歳のイケメン(佐々木勇気五段)
少年漫画ゆえ、基本的に主人公は熱血漢であることが多い。そのためライバルには、クールなイケメンタイプが必ず登場する。「黒子のバスケ」では、帰国子女の氷室辰也は、そのフォームの美しさゆえに、相手が反応できないほど。海外を経験しているキャラクターは強い、というベースがあり、「テニスの王子様」の主人公・越前リョーマは、本人が帰国子女でもある。
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