7月17日の札幌、きたえーる大会で、飯伏幸太に勝利した内藤哲也。事前の新日本プロレスの「G1決勝カード予想」でもAブロックの勝ち上がりに全投票の1/2に当たる50%を獲得。シリーズスタート前に制作した煽りPVでも視聴数ぶっちぎりの1位を獲得と、この大会の内藤への期待の大きさは過去最大級のものとなっている。

数字だけみると「内藤が決勝に立ち上がって当然」という空気が早くも流れているが、総当りトーナメントという性格上、簡単なことではなさそうだ。特にリーグ後半に控えている、石井智宏(7/29)、後藤洋央紀(8/1)といった総当り戦でより厄介な存在となりそうな選手たち、そして何よりも最終戦に控えているのが棚橋弘至だ。

開幕戦でザック・セイバー・Jrに不覚のギブアップ負けを喫し、すでに満身創痍の棚橋だが、リーグ戦はスタートしたばかり。Aブロック最終戦となる8月11日の両国大会での、一騎打ちには、コンディションも整え再び内藤の前に立ちはだかることだろう。星取りの推移次第では野望を打ち砕くジョーカーになりかねない、そんな日程となっている。

内藤が今回のG1制覇を「最高の踏み台」と表現している先には、来年1月4日の東京ドームのメインという野望がある、2013年のG1制覇の際には本来務めるはずだったメインイベンターの座を、中邑vs棚橋のIWGPインターコンチネンタル戦に人気投票でかっさらわれるという前代未聞の事態が起きた。

この出来事がその後の、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン結成や新日本プロレスの体勢への批判の数々といった行動の源流となっているだけに、その恨みを晴らすという意味でも、今回のG1優勝は内藤にとって近年稀に見ぬ重要なミッションのように思われる。

「すでに終わった選手」とさんざん内藤にこき下ろされて来た棚橋だが、先月のIWGPインターコンチネンタル王座封印にストップをかけるなど、肝心な場面で常に内藤の野望を打ち砕く存在として立ちはだかってきた。G1初戦に、飯伏幸太という優勝候補の一角を撃破した今だからこそ、大本命・内藤にとって最後の棚橋戦が鬼門となりそうな、そんな不気味さを漂わせているのだ。

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