23日、富士急ハイランド・コニファーフォレストで欅坂46・けやき坂46のライブ『欅共和国2017』が開催された。
冒頭、行進曲風のBGMにあわせ、平手友梨奈を先頭に黒いハットと長靴、マーチング・バンド風の新しい衣装を身に付けたメンバーが登場。城塞を思わせるセットの上に"共和国の旗"を掲げた。
続いて『Overture』が流れ、いよいよライブの本編がスタート。ステージ前に水柱が高々と上がり、水のカーテンに包まれたかのような雰囲気の中『サイレントマジョリティ』を披露。続いて『世界には愛しかない』そして『二人セゾン』と、デビュー以来のシングル表題曲を惜しげもなく一気に投入、会場の興奮は一挙に高まった。
2曲目『世界には愛しかない』では夏の野外ライブらしく、メンバーがホースで観客席に放水、そして志田愛佳の「ジェット風船飛ばしてください!」「せーの、飛ばせ!」の合図で会場の空に1万個以上の風船が舞った。
19日には16曲の新曲を含む1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』をリリースしたばかりの欅坂46だが、今回のライブでは既存の楽曲でセットリストを構成。シングル表題曲の序盤に続き、欅坂ならではのメッセージ性の強い歌詞や激しいダンスを伴うクールな楽曲だけでなく、『また会ってください』『微笑みが悲しい』といったアイドル然とした楽曲も配置。グループの幅の広さを感じさせる内容となった。
本編終了時には、再び冒頭のマーチング・バンド風の演出が行われ、平手がポーズを決めると、打ち上げ花火が上がった。
アンコールではAKB48グループ・乃木坂46・欅坂46から選抜されたメンバーによるユニット「坂道AKB」の『誰のことを一番 愛してる?』(AKB48のシングル『シュートサイン』のカップリング曲)を欅坂46バージョンで特別に披露。TAKAHIRO氏の振り付けらしい、スピーディーで切れ味の鋭いダンスで観客を魅了した。
今回、観客に最も強い印象を与えたのは4thシングル『不協和音』のパフォーマンス(アンコール2曲目)だったのではないだろうか。平手、長濱ねる共に、サビに入る前のセリフ「僕は嫌だ」では鬼気迫る叫び声を上げ、さらに平手は曲の終盤、赤いライトの中で不敵な笑みも垣間見せ、何かが憑依したかのような空気感に観客は震撼。これまで何度も披露してきたパフォーマンスの中で、まさに"過去最強"とも言うべき、圧倒的な『不協和音』だったのではないだろうか。
アンコールでメンバーが着たTシャツはスタッフから贈られたもので、プリントされている文章についてキャプテンの菅井友香が長濱に話を振ると、長濱は早着替えについて自分への激励が書いてあることを明かした。菅井は「濡れてしまった方もいらっしゃると思うので、暖かくなさって、ゆっくりお風呂に浸かってください」、長濱も「お祭りみたいで楽しかったです」とコメントしていた。
また、普段のライブではパフォーマンスに集中、MCではあまり喋らない印象のある平手がマイクを握り「お越しいただいた皆さんに特別にもう一曲」と、Wアンコールとして、1stアルバムの中から『危なっかしい計画』をライブ初披露。笑顔でタオルを振っていた。夏っぽさ、かわいらしさもありながら、欅坂らしい挑発的な歌詞とダンスが融合した同曲は、来月から始まる全国ツアーの定番曲になりそうな予感を抱かせた。
佐々木久美らが9月のzepp札幌公演へ向けての意気込みを語ったとおり、けやき坂(ひらがなけやき)は単独での全国ツアーの真っ最中。欅坂と全員でのダンストラックやMCでも成長した姿を見せた。
また、欅坂も、来月2日からは全国6会場11公演の全国ツアーがスタートする。MCでキャプテンの菅井が「最高の夏の幕開けになりました。夏は欅坂と一緒に楽しみましょう!」、副キャプテンの守屋茜が「一番キライな言葉は、は・い・ぼ・く、敗北です!どのライブよりも欅坂のライブを一番にしたい!」、また、平手が「全国に欅坂のパワーをお届けしたいと思いますので、ぜひ遊びに来てください!」と宣言したように、今後の公演への期待感が一層高まるライブとなった。
■「欅共和国2017」富士急ハイランド・コニファーフォレスト公演2日目セットリスト※
0.Overture
1.サイレントマジョリティー
2.世界には愛しかない
3.二人セゾン
MC
4.青空が違う
5.僕たちの戦争
6.渋谷からPARCOが消えた日
7.ひらがなけやき
MC
8.僕たちは付き合っている
9.大人は信じてくれない
10.エキセントリック
MC
11.また会ってください
12.制服と太陽
13.微笑みが悲しい
14.割れたスマホ
ダンストラック(欅坂46)
15.語るなら未来を…
ダンストラック(欅坂46+けやき坂46)
16.誰よりも高く跳べ!
17.手を繋いで帰ろうか
アンコール
18.誰のことを一番 愛してる?
19.不協和音
MC
20.W-KEYAKIZAKAの詩
<ダブルアンコール>
21.危なっかしい計画
※1日目のセットリストは『危なっかしい計画』以外同じ。