全身全霊を込めて牌を握る俳優がいる。萩原聖人(45)だ。テレビで麻雀対局が始まった当初から出演を続け、芸能界だけでなく麻雀プロ相手でもその実力で何度も好勝負を演じ、劇的な勝利を挙げてきた。近年、麻雀対局番組が増えるに連れ、萩原のもとに“弟子入り”を願う芸能人たちも多いが、指導について「相当厳しいですよ」と笑った。AbemaTVの対局番組「麻雀駅伝2017」の出場を控えた萩原に、芸能人としての麻雀との向き合い方を聞いた。

 1995年にスタートしたフジテレビ「THEわれめDEポン」、CS局のMONDO TVの対局番組をはじめ、近年ではネット配信など、芸能界で最も麻雀対局番組に出演していると言われるのが萩原だ。「プロの人より、麻雀に貢献してきたんじゃないですかね」と笑顔で自賛するくらい、とにかく真剣に打ち、ファンに魅力を届け続けてきた。「番組が増えてきたのはいいことですね」と話しながら、気になっていることがある。それが演者(対局者)のパフォーマンスの質だ。

 対局番組に出る以上、最低限身につけるべき技術や知識はある。それだけに指導を願う後輩たちには「相当厳しいです。本当に厳しい。特に女の子に教えてくれと言われた時はそう」と、初心者でも女性でも「萩原道場」の門を叩いた者には手加減しない。それだけ麻雀に真剣に向き合っているからこそだが、それでも「テレビ対局に向けて」の指導は少し違う。「短期間で強くしてあげることはできない。でも、得をさせてあげることはできる。どういう打ち手が視聴者に受け入れられるかという、僕なりの判断基準があるんです」と説明した。

 演者として対局番組に出た際に、いかに立ち振る舞うか。肝心なのは「応援されるか、こいつ頑張れとなるか」どうかだ。「応援されたとなれば、もう『勝ち』なんです。もちろんアマチュアでもプロに麻雀で勝てるなら、その方がいいですが、それが最大のテーマではない。どう印象づけるか。どういう牌を切るかではなく、どういう姿勢で戦っているかなんです」と熱っぽく語った。麻雀を通して演者の人間性が垣間見え、その姿に共感が生まれれば、その時点で演者としての役割は十二分に果たしたことになる。

 “教え子”の対局はあまり見ないという。偶然見た時に「勝ちたい気持ちに負けて、僕の教えを忘れていたら、破門です」と笑った。必死に麻雀を打つ根っからの雀士でありながら、ファンに何かを伝え、魅せることを一番に目指す。やはり萩原は「俳優」だ。「著名人の方のパーソナリティーが発揮される番組は長く続くとも思います。そこに楽しみを見出しているファンも多いと思います」と、軸はまったくぶれていない。

 7月30日に出演するAbemaTVの「麻雀駅伝2017」には、アマチュア連合の代表としてプロ3団体の選手たちと卓を囲む。対戦相手には知り合いのプロも多いが、魅せながら勝つことを目指している。「麻雀のというゲームの性質から来るおもしろさ以外のものを出せればいいですね」。俳優・萩原聖人にとって、麻雀卓は個性をいかんなく発揮できる絶好の舞台だ。

 ◆萩原聖人 1971年8月21日、神奈川県出身。1987年に芸能界デビューを果たすと、その後はテレビドラマ、映画、舞台などに多数出演。1995、1997年には日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞した。麻雀番組には創世記から多数出場し、数々の大会で優勝。また麻雀を題材にしたアニメ「闘牌伝説アカギ ~闇に舞い降りた天才~」では主人公アカギの声を担当した。

(C)AbemaTV

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麻雀駅伝2017 Final Round | AbemaTV(アベマTV)
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