中学生棋士・藤井聡太四段の歴代最多29連勝により、すっかり日本中で話題となった将棋だが、ファンにもいろいろなパターンがある。自ら将棋をする「指す将」、対局などを楽しむことがメインの「観る将」、棋士のイラストなどを描く「描く将」など多様だが、この他にも「作る将」がいる。将棋の駒を自作するファンだ。
「作る将」という言葉自体は一般的ではないが、将棋の駒を作ること自体を楽しむ人たちは以前から、多数いる。歩から王将まで1セット40枚の駒を、板から切り出すところから始める人もいれば、駒の形になった木地(生地)を彫る、字を書くところからの人もいる。1セット数万円する木地もあれば、1000~2000円というものもある。
駒の値段もピンからキリまである。プロの駒師でも、名工と呼ばれる職人の頂点に立つ人の作品ともなれば、数百万円の値がつく。またアマチュアであっても、高い技術を誇る人のものであれば、数万円から数十万円の売値がつく。扱いとしては絵画などの美術品と同じと思っていいだろう。
将棋のおける駒の存在は、とても大きい。タイトル戦ともなれば、やはり一級品の駒や盤が使われる。また、対局番組などでテレビに映る際などは、やはり映りがよかったり、指した時の音の響きがよかったりするものが選ばれる。また、駒は新品だけが重宝されるわけではなく、何度も使われたことで色に渋み、深みが出たものがよいともされている。
将棋ブームの中、子ども用の将棋の売れ行きが伸びているが、夏休み時期に親子で駒を自作してみる、という遊びもいいかもしれない。
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