8月6日、立ち技格闘技イベント「Krush」(8月7日(月)21:00~AbemaTVで放送)の後楽園ホール大会が開催された。今回も超満員札止めとなった大人気イベント、そのダブルメインで行なわれたのは-63kgと-65kgのタイトルマッチだ。
最終試合となる-65kgタイトルマッチ。チャンピオンの中澤純にとっては初防衛戦だった。挑戦者はこれまでK-1で活躍してきた左右田泰臣。Krush初参戦でKO勝利を収めると、その日のメインでベルトを巻いた中澤に対戦要求している。
つまりチャンピオンが決まるとほぼ同時に初防衛戦のマッチメイクも決まるという事態。Krushのベルトを、K-1の頂点に立つための通過点とする左右田に対し、中澤も「Krushのベルトを獲ってみて、ここがゴールじゃないと感じた」とK-1参戦を新たな目標に定めている。そんな中澤を、左右田は「これまでKrushでやってきて、ベルトを獲ったらK-1ではブレている」と批判したことも。
試合は序盤、左右田がリード。ジャブと左ミドル、ローを駆使して中澤が得意とする接近戦に持ち込ませない。しかし2ラウンドになると中澤のパンチも当たり始め、ロープ際での至近距離の攻防が続く。
最終3ラウンド、その後半には、頭がつくほどの近い距離でパンチとヒザの打ち合い。しかもお互いクリンチに逃げず、レフェリーが「ブレイク」をかけないためノンストップの打撃戦に。闘っている2人だけでなく、観客のボルテージも上げまくる激闘だった。
しかも、判定は1-0で決着がつかず、延長戦に。ここでも壮絶な打ち合いとなり、中澤はロープに押し込まれて「マズい」という心境になったようだ。それでも、接近戦は「自分の土俵。相手はいろんなことができるけど、自分にはこれしかない」という気持ちのこもったパンチをクリーンヒットさせる。
延長戦も微妙な判定。2-1とジャッジの採点も割れたが、勝ったのは中澤だった。1人目の判定が左右田支持で、思わず敗北を覚悟した中澤は涙を浮かべていたが、ベルトを死守。しかし「俺のほうが強いだろって言いたかったけど……。K-1で左右田選手とやりたい」と語り、チャンピオン側から舞台を変えての完全決着をアピールした。K-1に出場すれば、中澤にとっては新たなステージでの第一歩。そこで左右田とのリマッチが実現すれば、大舞台を沸かせることは確実だ。