格闘技は勝者と敗者のコントラストが強く、だからこそ残酷で、選手の人間性も見えやすい。変化や成長も観客に分かりやすく伝わってくる。
8月6日の「Krush」後楽園ホール大会(8月7日(月)21:00~AbemaTVで放送)。佐々木大蔵は谷山俊樹を相手に-63kg王座の防衛戦を行ない、大差の判定で勝利した。佐々木は今年2月のK-1でウェイ・ルイに完敗。中国での試合を挟み、これがホームリング・Krushでの出直しの一戦だった。
挑戦者の谷山はKrush参戦経験こそ少ないが、多くのベルトを獲得してきた強豪。しかし佐々木はジャブで相手を寄せ付けず、蹴り合いでも一歩も引かず、相手がパンチで勝負してくると巧みにバックステップを踏んで距離を外すなど、王者らしく試合を支配していく。要所でヒットする右のパンチも強烈だ。
最終3ラウンドには、谷山がパンチで前進、猛烈な追い上げを見せる。しかし、ここで相手のペースに飲まれてしまわないのも佐々木の成長だった。動きを見極めながらパンチを打ち返し、ダウンを奪って完全に勝負あり。1ポイントも失うことなく判定勝利を収めた佐々木は、「これをやるのが夢だった」と、5月に生まれた第一子をリングに上げ、家族で記念撮影。チャンピオンとしての強さに父としての強さもプラスして、これからの佐々木はさらに魅力を増していきそうだ。