8月15日、「武藤敬司が選んだG1 BEST5 ※うち4つは自分の試合」が放送(21:00~ AbemaTV)される。天才レスラー、武藤敬司が選んだ試合は過去27回の歴史を持つG1の中から自分が関わった4試合と、歴史に残るあのカードと後に大ブレイクするあの大物レスラーの無名時代の名勝負だった。
G1クライマックスという大会について「連戦になると選手の器量が問われる大会」と語る武藤。「(観客に対して)ファイトスタイルも同じようにできないので、引き出しを出していかないと通用しなかった」と振り返り、自身にとってインパクトがあったのは第一回大会「ベイダー戦ではじめて両国国技館で座布団が舞った、その後の蝶野(正洋)戦でも舞ったけどあの試合が最初、その後座布団は禁止になったけど…」と当時の秘話も飛び出した。
武藤が選んだ試合を見てみよう。5位は「柔を剛を制すベビーフェイスとヒールのクォリティの高い試合」と自身が敗れた1991年8月7日、武藤敬司vsスコット・ノートン戦。4位は「WCW時代のライバルで技巧派同士の戦い」という1992年8月6日、アーン・アンダーソンvsスティーブ・オースチン戦という意外なチョイス。その後のWWEでのストーン・コールドの活躍を考えると非常に貴重なカードだ。
3位は2001年8月13日、リック・フレアーvs武藤敬司戦。「G1の雰囲気はフレアーにとってはやりにくそうだった」と回想しつつ、アメリカでのベビーフェイスのフレアー対ヒールのムタという構図が逆転したカードとしても両者の力量が発揮された試合だ。2位は、1999年8月15日、中西学vs武藤敬司戦。この日永田、小島と3連戦を経験した「武藤vs第3世代」の世代闘争を象徴するカード。
そして1位は、1995年8月15日、第5回大会の決勝、武藤敬司vs橋本真也戦。武藤がG1にチャンピオンとして乗り込んで優勝し、伝説の高田延彦戦に続いていく武藤のキャリアを象徴する時代のカード。
武藤のチョイスは、自身の活躍の総括というよりは、自らの目を通してみた90年代を象徴するプロレスの質、面白さなどで評価したもののように感じられる。特にアメリカでも活躍した武藤の目からみた外国人レスラー評など、なかなか聞く事のできない証言やコメントも聞けるという意味でも非常に貴重な記録といえるだろう。