8月20日、名古屋国際会議場イベントホールで開催される「Krush.79」(15時~AbemaTVで生中継)。ゲーオ・ウィラサクレックを下し新K-1 WORLD GPスーパーライト級王者となった、野杁正明の凱旋試合という雰囲気も漂うこの大会。トリプルメインイベントの一角として男子-65kg級にもう一人、地元・愛知ゆかりの実力者、大和哲也が出場することで、全て打ち消すような雰囲気を醸し出している。
旧K-1体制の「K-1 WORLD MAX 2010 ~-63kg Japan Tournament」の覇者として、またKrush黎明期から活躍、その後ムエタイの世界で腰を落ち着かせると王者となるWBCムエタイ世界王者やLion Fight世界スーパーライト級王座などを経て4月のK-1スーパーファイトでHIROYAと対戦、久々のムエタイからK-1への対応といった懸念を吹き飛ばす2R左フックで鮮烈なKOでKのリング復帰を宣言した。
当初対戦予定だったオーストラリアの同級王者、チャド・コリンズが、直前にムエタイの試合に出場するという契約違反で取りやめになるハプニングがあったものの、ポルトガルのリングで王者となっているエルソン・パトリックが対戦相手に決定。未知数の欧州勢相手に大和が、前回同様ノックアウト決着で試合を決めるか注目だ。
この名古屋大会のメインイベントの一角に愛知県知多市出身の大和の出場を決めたKrushだが、単純に地元だからといった悠長なものではなく、チャンピオンとしてリングに上がる野杁正明への強烈なメッセージとも取れる。
3年前のWBCムエタイインターナショナルスーパーライト級タイトルマッチでは大和が野杁に判定3-0で完勝した過去もあり、遅かれ早かれ、今後の戦績の行方次第では両者の対戦、しかもタイトルをかけたリマッチというのも見えてくる。
地元の愛知勢2人、これから壮絶な戦いを繰り広げるであろう、2人のカードを持ってくるKrushのえげつなさを実感する。王者にとって地元は凱旋の地ではなく激戦の火ぶたを切る地となるのだ。
HIROYA戦の勝利後に「かき回すだけでなく新生K-1の光になる、僕がゲーオ選手を倒します」と復帰の挨拶を宣言した大和。先にゲーオ超えされてしまった今、ターゲットは自ずと新王者、野杁となるのは確実だ。その足がかりとなる今回のKrush名古屋大会に注目したい。