8月20日に開催されたパンクラスのディファ有明大会(21日21時~AbemaTVで放送)では、タイトルマッチや国際戦といったメインストリームをなす試合とともに、ライバル団体と言ってもいいDEEPとの5vs5対抗戦もマッチメイクされた。
その展開はまさに一進一退。先鋒戦では荻窪祐輔が安谷屋智弘を判定で下し、まずパンクラスが1勝。次峰戦。横山恭介vs大原樹里はローブローによる続行不能で無効試合に。続く中堅戦はDEEPで活躍する柴田“MONKEY”有哉が安永有希を判定で下した。柴田は2014年、DEEPで行なわれた対抗戦では敗れており、今回は対パンクラスの借りを返した形だ。
副将戦はパンクラスが勝利。DEEPでタイトルマッチの経験もある北田俊亮に、パンクラスのランキング6位・瀧澤謙太が勝利するという金星だった。それもパンチでダウンさせ、パウンドでのレフェリーストップというインパクトの強い勝ち方。“対抗戦男”ともいうべき活躍ぶりで、瀧澤は大きく株を上げたと言っていいだろう。
ここまでパンクラスが2勝、DEEPが1勝。ここで登場した大将は佐藤光留(パンクラス)と桜井隆多だ。桜井は元DEEPミドル級王者。長くDEEPを背負って活躍し、“ミスターDEEP”とも呼ばれる。プロレスラーとして試合前日にも全日本プロレスのリングに上がり、独自の強さを追求している佐藤は、得意のアキレス腱固めを仕掛けるなど自分のスタイルを崩さない。
しかし桜井もしっかりディフェンスすると、2ラウンドに左フックを決める。これで佐藤がダウンしたところにパウンドを連打し、桜井の勝利となった。実は、桜井ももともとプロレスラー志望。佐藤がプロデュースする大会「ハードヒット」でプロレスデビューしており、佐藤との対戦には複雑な思いもあったようだ。
それでも、勝負に徹するのが格闘技。桜井はベテラン健在をアピールするとともに、DEEP軍を団体戦敗北から救った。桜井と佐藤の顔合わせは、長く見ているファンには感慨深いもの。パンクラスとDEEPのライバル関係は、これからも日本MMAの重要ポイントであり続けるはずだ。