ケージで試合を行ない「世界標準」をスローガンとするパンクラスでは、選手の海外団体進出も積極的にバックアップしている。9月のUFC日本大会には、女子王者の朱里とウェルター級王者・阿部大治が出場することに。大きなチャンスを掴める場だけに、パンクラスでは若い力の台頭が目立つ。そこにベテランが立ちはだかることで、タイトル戦線が活性化すると言ってもいい。
8月20日ディファ有明大会(21日21時~AbemaTVで放送)のメイン、フライ級タイトルマッチのマモルvs仙三も、まさにそんな試合だった。マモルは修斗で2階級制覇を達成したベテラン。パンクラス王座は今年3月に獲得している。
対する仙三はランキング1位。トリッキーな動きでフェイントを入れながらパンチを当て、マモルをダウンさせる場面も。試合後半も、蹴り主体のマモルに対しパンチの連打など的確な試合ぶりでポイントを奪っていった仙三が、ジャッジ全員が50-45をつけるフルマークで勝利。新王者となった。
現在34歳の仙三だが、MMAを始めたのは29歳と遅く、気持ちはまだ「18歳くらい」という。アマチュアからパンクラスで叩き上げ、今後めざすのはUFC。パンクラスの申し子とも言えるチャンピオンの誕生だ。
また今大会では、フェザー級の注目株である松嶋こよみが、UFC参戦経験もある粕谷優介に勝利し、UFC出場をアピール。世界の頂点であるUFCにつながる舞台としての魅力を感じさせる大会となった。