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(左から佐々木大輔、竹下幸之介、大家健、男色ディーノ。9.24後楽園でのタイトルマッチ、かけられるのはベルトか、預金残高か!?)

DDTプロレスが新時代に突入したと言っていいだろう。8月20日の両国国技館大会、“ゲイレスラー”男色ディーノは“大社長”高木三四郎と対戦し、勝利。この試合にはDDTのリング上における全権がかけられていたため、ディーノがプロデューサーとなってマッチマイクをはじめとするクリエイティブ面を取り仕切ることとなった。

通称「男色P」は、両国大会の最中からその手腕を発揮。エース・HARASHIMAがノア・丸藤正道と組んでタッグ王座を獲得すると、さっそく高木と組んでの挑戦を表明した。しかもその舞台は路上プロレス。それも鉄工所で闘う「工場プロレス」だ(9月20日に開催)。これまで常にプロレス界のメインストリームで活躍してきた丸藤に、DDTイムズをたっぷり味わってもらおうという趣向である。

また、両国大会のメインで若きKO-D無差別級チャンピオン、竹下幸之介が圧巻のタイトル防衛を果たすと、男色Pは次なる挑戦者にガンバレ☆プロレス代表でインディペンデント・ワールド世界ジュニアヘビー級王者の大家健を指名。さらにDDTエクストリーム級王者の佐々木大輔も加えて、9.24後楽園ホール大会で3つのタイトルをかけた3WAYマッチを行なうと発表した。

だが、大家は9.21ガンバレ☆プロレス新宿大会で防衛戦を控えており、これに負けるとトリプルタイトル戦が成立しなくなる。そこで大家は「これをかけてやるよ!」と銀行の通帳を公開。ベルトを失った場合、残高全額である66万4911円という、微妙にリアルな額がかけられることとなった。

“実力勝負”が基本であるはずのKO-D無差別級王座戦に、こうした要素が入り込むことも“男色Pイズム”と言えそうだ。20年前、選手3人で旗揚げした極小団体は“文化系プロレス”と呼ばれる企画力、アイデアを武器に後楽園ホール、両国国技館、日本武道館、さいたまスーパーアリーナと会場規模も大きくしていった。

そして大会場のメインでは飯伏幸太、ケニー・オメガ、HARASHIMAといった選手たちが、メジャー団体と比べても見劣りしない激闘を展開。今回の両国大会でも、竹下と遠藤哲哉のメインは年間ベストバウト候補と言える凄まじい内容だった。

もはやDDTのプロレスが「どこに出しても恥ずかしくない」のは当然のことになってきた。そんな今だからこそ、“男色政権”では王座戦線の激闘と“文化系”路線をあえてごちゃまぜにし、新しい時代のDDTの姿を構築しようとしているのだろう。

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(鶴見亜門GMの復帰をかけた試合は東京女子プロレス・甲田哲也代表との一戦に。会見ではGMがアイドルヲタクの甲田氏をバカにしたことで大乱闘が勃発)

男色Pが手掛ける第一弾興行は、8月25日の新宿FADE大会。ここではマッチメイクが「男色面談」によって決定するという。また開場直後からは、クビを宣告された鶴見亜門GMの復帰をかけた試合を実施。相手は東京女子プロレスの甲田哲也代表だ。もはやプロレスラーでもなんでもない、スタッフ同士の対決すら“見せ場”になってしまっているわけだ。男色Pのモットーは「攻めるDDT」だという。

文・橋本宗洋

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