28日、乃木坂46のメンバーが出演する映画『あさひなぐ』(原作・こざき亜衣、9月22日全国公開)の完成披露上映会が行われ、主演の西野七瀬、桜井玲香、松村沙友理、白石麻衣、伊藤万理華、富田望生、生田絵梨花、英勉監督が会場、そして生中継された全国143館に詰めかけた観客に作品のみどころを語った。
本作は小学館漫画賞を受賞した同名漫画の実写映画化。主演の西野七瀬演じる二ツ坂高校1年の東島旭が薙刀に出会い、同じ1年生の八十村将子(演・桜井玲香)、紺野さくら(演・松村沙友理)とともに、先輩の宮路真春(演・白石麻衣)、野上えり(演・伊藤万理華)、大倉文乃(演・富田望生)とともに成長していく物語。
映画で見せた制服や道着姿とは異なるシックな黒の衣装で登場したメンバー。主演を務めた西野は「みんな頑張ったので、かっこいいなと思ってもらえると思う。年明けくらいから稽古を初めて、撮影期間中も並行してやった。薙刀は想像以上に大きいし重くて扱うのが大変やったし、足の裏の皮がめくれそうになったり、腕が筋肉痛になったり。苦労したけど、すごくいい経験になった」と感慨深げ。
乃木坂46ではキャプテンを務めている桜井玲香が演じた八十村将子は、普段の桜井とは違う、荒っぽい言動をするキャラクター。「人生で初めて金髪にしたり短くしたり、形から入った。もっと暴言を吐いてくれ、もっと罵ってくれと監督に言われて、薙刀とセリフとどっちに集中したらいいのか…。意外と舌打ちって難しいんだなと思った」と話し、舌打ちを実演してみせた。
英監督が「撮影時、みんなうっすら泣いていた」と話すとおり、「ポップコーンのええ匂いがします」と笑顔で登壇した松村沙友理も「心が折れそうになって、頭が真っ白になって…」と振り返る。
「私の試合シーンを撮る前日になって監督さんが"内容を変えたい"と言ってきて。一ヶ月前からずっと(そのシーンのために)練習してたので、さすがに明日は撮影できないかもと思って一瞬涙が出ました。しかも監督さんがそれを笑いながら見てはったから(笑)。でも、暖くて、自分自身がちゃんとやりたいと思ったのを汲んでくださったので。一から薙刀を始めて、もう一度高校に入学したような気持ちやったし、スタッフさんも監督さんも夜遅くまで練習に付き合ってくれはったし、みんなで一緒に作った青春でした」(松村)。
西野演じる東島旭が憧れる先輩・宮路真春は、7歳から薙刀を続けてきた強豪という設定。演じた白石麻衣は「とにかく強くなきゃいけないということで、初日に指導の先生から"特別に厳しく行くからね"って言われて、"あ~ヤバいな"と思って(笑)。正直そこで心が折れそうになったんですけど、やっていくとすごく楽しいし、できてくると嬉しくて。全然苦ではなかったです。撮影が無いときもずっと練習して。とにかく私は試合のシーンが多いので、一つ終わっても、すぐに体育館で次の試合を覚えたりして。送られてくる(手本の)動画の数がハンパではないです(笑)。大変だったけども楽しかったです」。
白石同様に先輩役、しかも3年生の引退後は部長を務める野上えり役の伊藤万理華は「物語を進めていく中心の進行役と言われて。乃木坂では全然そういうポジションにいないし、やらないタイプなので、部長役をやるとなってびっくりしました。セリフ量とトークに苦戦しました」と話し、撮影の合間、夜に乃木坂キャプテンの桜井と二人で散歩しながら相談をしていたことを明かした。そんな伊藤に桜井は「ちゃんと部長でした(笑)。一番感情移入しました」と太鼓判を押していた。
主要キャストの中で乃木坂のメンバーではない富田望生は「お話を頂いたとき、大倉文乃という、でっかい人物が必要となったときに、"(グループのメンバーを出演させるために)役柄の設定を変えるのではなく、冨田に任せよう"と言ってもらえる存在だったというのは、役者として素直に嬉しかったです」と振り返り、「ちょっと練習に入る前までは不安もあったんですけど、みなさんがものすごく、ものすごく優しいんです。本当に"おいで!"っていう感じで。不安は初日から溶けました。最初はスローモーションでゆっくり撃ってきたのが、次第に思いっきり撃ってくれるようになったので、薙刀を通して距離が近くなったんだと思います」と話した。これに対し、「望生ちゃんが居てくれるだけで空気が和む。楽しく明るいので、いつでもつられて。朝早くてちょっとしんどいなってときでも、元気な姿を見るとこっちも元気になるなって。感謝でした」と西野。
そして、ライバル校・國稜高校の1年生エース、一堂寧々を演じた生田絵梨花。ときに白石や西野にきつい言葉をぶつける役所だ。
「寧々ちゃんがなぜそんなに気が強いのかは、原作だと描かれているんですが、映画だと描写がないので、"怖い"とか"強い"というイメージだけになってしまうのはもったいないよねと話し合いをさせていただいて、子どもらしい素直さから来るふてぶてしさ、拗ねてる感じ、可愛らしさを入れ込めたんじゃないかなと思います。(強い役なので)手数が多いので大変でした。形の順番を頭で暗記して行動に移すという、ずっと勉強してるような気分でした」。
出演者たちがときに涙しながら稽古に打ち込んだ薙刀。試合シーンも、可能な限り本人たちが演じた。英監督は「練習をやっていくうちに、立ち方とか撃ち方、逃げ方が役柄に合った薙刀になっていった。吹き替えの方には真似出来ないことをやってくれてるので、本人にやってもらおうかなと思った」と話す。さらに、本人たちからも強い要望があったことを明かした。
「練習しているうちに、これは吹き替えの方がやるのかもしれないけど、自分でやりたいと思って、意を決して監督さんのもとに"やらせてください"と言いにいきました。"明日、自分でやりたいです"って。そしたら監督さんも"そのつもりです"って。"あっ、良かったです"って…(笑)。監督さんも同じことを考えていたんだなって」(西野)。
そんな主役・西野がお気に入りのシーンは、先輩・白石に食ってかかるシーンだという。「旭の表情とか決意した感情、頑張りました」。それを聞いた白石は「撮ってる裏でモニターを見させていただいてたんですけど、めちゃくちゃかっこよかったです。決まってるなと思って(笑)」と賞賛していた。
同作は来月22日から全国公開、また乃木坂46が歌うエンディングテーマ「いつかできるから今日できる」も、10月11日に19thニューシングルとしてリリースすることが決定している。
(C)AbemaTV/撮影:野原誠治