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 6日午後9時ごろ、大規模な「太陽フレア」が11年ぶりに観測された。太陽フレアは太陽の表面で起きる爆発現象で、通常はオーロラとなって現れる程度、地上に影響することはない。しかし、今回は通常の1000倍の爆発で過去最大級と言われている。

 過去、太陽フレアによって起きた影響はいくつかある。1989年、カナダ・ケベック州で9時間に及ぶ大停電が発生し600万人に影響が出た。1994年のリレハンメル冬季オリンピック時は、衛星への影響でNHKの中継が20分中断した。2000年には、天文衛星「あすか」が故障し数カ月後に大気圏に突入した。

 今回の大規模な太陽フレアによってどのような影響が懸念されるのか。『けやきヒル’sNEWS』(AbemaTV)では、太陽研究の第一人者で京都大学大学院の柴田一成教授に話を聞いた。

 太陽フレアの仕組みは、黒点周辺で蓄えられた磁気エネルギーが突然爆発を起こすことで、大きなフレアでは大量のガスが噴出し地球に到達することがある。「最初に大量のエックス線やガンマ線、紫外線などの電磁波が届き、通信障害を起こす可能性がある。その後、放射線粒子いわゆる放射能がきて、人工衛星に影響を与えたりする。最後に大量のガスが地球にぶつかると停電などの被害が発生する可能性がある」と柴田氏は説明する。一方で、人体への影響については「地球上に磁場のバリアがあるので心配するほどではない」と話した。

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 今回、過去最大級とされるフレアの規模については「11年ぶりの大きなフレア。フレアは5段階に分類するが、最大級のXクラスのさらに9倍ほど。水素爆弾でいうと約1億個が同時に爆発したのと同程度の規模になる。最近太陽は黒点が少なくなっていて、活動も収まっている時期。なので最大級のXクラスのフレアはここ2年起こっていなかった。それがXクラスのさらに9倍という巨大フレアということで、なぜこの時期にこんなにも大きな太陽フレアが起きたのかと世界中の太陽研究者がメールを送るやら大騒ぎをしているところ」と明かした。

 日本への影響については「影響があるのは原則オーロラが見える場所なので、日本にはそのような場所がないので停電の心配は無いが、通信障害、カーナビなどGPSに頼っているもの、インターネットも影響を受ける可能性がある。しかし、人が作ったものなので準備さえすれば被害は防げる」と指摘した。

 逆に、最も影響を受けやすい場所としてカナダ、アラスカ、スウェーデンなどを挙げる。「大きなフレアが発生するとアメリカでもオーロラが見え、フロリダで見えたこともある。日本では北海道で10年に1回ぐらい低緯度オーロラが見えるくらい。もしかすると、今回も北海道でオーロラが見えるかもしれない」と話した。

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 太陽フレアの影響が続く日数については、「磁気嵐は何日間か続く可能性がある。実は、7日の晩にまたXクラスのフレアが起こった。黒点がある限りフレアが発生する可能性があるので要注意」と話した。

(AbemaTV/『けやきヒル’sNEWS』より)

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けやきヒル’sNEWS キャスター:柴田阿弥 | AbemaTV(アベマTV)
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