元K-1スーパー・フェザー級王者の卜部功也が、9月8日のKrush(11日21時~AbemaTVで放送)で久々の後楽園ホール登場を果たした。
今年2月、階級を上げて臨んだK-1ライト級王座決定トーナメントで一回戦敗退。負傷と屈辱から「2ヶ月は何もしなかった」という卜部だが、やはり戻る場所はリングしかない。復帰の舞台に選んだのは、K-1参戦前に自分が育った、故郷ともいうべきKrushだった。
対戦相手はフランスの強豪ヤニック・レーヌ。卜部と同じサウスポーで、下がりながら的確にカウンターを狙ってくるだけに闘いにくいタイプだ。しかし卜部は、「KOで勝ちたい」という戦前の言葉通りアグレッシブなファイトを見せる。右の蹴りから攻撃を組み立てるのも定石通りだ。ただKOにこだわりすぎたためか全体にパンチ偏重の組み立てになってしまい、セコンドからは「焦らなくていい」「冷静にいこう」といった声も。
これまで、KO勝利でも技巧を活かした“狙いすまして倒す”スタイルが光った卜部。今回は力でねじ伏せるかのような闘いぶりだった。結果、いつもの“らしさ”は出せず、判定勝ちしたものの卜部は不満気な表情。復帰戦を鮮やかに飾ったとは言えない。それでも“どうしてもKOで勝ちたい”という必死さは間違いなく伝わってきたし、それは“今までとは違う自分を見せたい。もっとレベルアップしたい”という思いの表れでもあるだろう。
ここから卜部功也というファイターがどう変化していくのか。王者ウェイ・ルイが君臨するK-1ライト級戦線のキーマンとも言える存在は、Krushで新たなスタートを切った。
また、この大会ではベテラン山内佑太郎、匠あらため登坂匠も復活の勝利。山内の巧みな試合運び、登坂の小気味いいパンチラッシュは大きなインパクトを残しており、彼らの復帰によって、Krush戦線はさらに厚みを増したことになる。