全国各地で秋のビッグマッチを開催してきた新日本プロレスが、その総決算となる両国国技館大会を10月9日に行なう。
そのメインイベントは、IWGPヘビー級選手権。王者オカダ・カズチカにEVILが挑む一戦だ。この対戦は、G1クライマックスの結果を受けて決まったもの。今年のG1、開幕戦から絶好調で連勝街道を突き進んでいたオカダだが、リーグ戦後半の大阪大会でEVILと対戦し、黒星をつけられてしまう。
シングルマッチでの敗戦自体が久しぶりだったオカダは、ここから失速。IWGPヘビー級王者としてのG1制覇という目標を達成することが叶わなかった。つまりこの秋の大一番は、夏の借りを返すための闘いということになる。屈辱をしっかりと晴らしてからではないと先には進めない。それが新日本の頂点に立つ者としてのプライドなのだろう。
EVILがオカダを下したのは、リングネームと同名の必殺技EVILだ。形としては変形の大外刈りで、オカダのフィニッシュ技であるレインメーカーの切り返しとして抜群の威力を発揮する。そのためか、EVILはG1での対戦前にも、今回のタイトル戦に向けても自信を見せている。
実際、タイトル前哨戦でもレインメーカーが切り返される場面があり、オカダにとってはレインメーカー封じをいかに打開するかが大きなポイントだ。それだけ自分を苦しめるEVILの実力を認めてもいる。“制御不能のカリスマ”内藤哲也の存在が突出して見えるロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンだが、EVILや高橋ヒロムの活躍を見ても実力者揃いであることが分かる。
ここで王座を防衛すれば、年間最大のイベントである1.4東京ドーム大会でのタイトルマッチが具体化してくる。しかしオカダの頭にあるのは、現在のところEVILへのリベンジのみ。“カネの雨を降らせる男”として、他の選手との「レベルの違い」を強調してきたオカダ。しかし今回はいつもとは違う、復讐に燃える姿が見られそうだ。
(C)New Japan Pro-Wrestling Co.,Ltd. All right reserved.