新日本プロレス1.4ドーム大会のメインイベントはオカダ・カズチカvs内藤哲也のIWGPヘビー級選手権試合に決定したが、ドームに向けては他のタイトルの行方も気になるところ。それによってドームのカードが決まってくる。
11月5日の大阪大会では、棚橋弘至vs飯伏幸太のIWGPインターコンチネンタル選手権が行なわれる。これは、王者・棚橋からの指名によるもの。棚橋はこの夏のG1クライマックスで飯伏に敗れており、今回はベルトをかけてのリベンジ戦という形だ。ただ、棚橋の意図はそれだけではないのかもしれない。
タイトルマッチに向けた闘いの中で、棚橋は「飯伏がもったいない」というコメントを残している。飯伏に対しては最上級の評価をしているが、同い年の内藤がブレイクし、年下のオカダが頂点にいる状況で「飯伏はいま何をしてるんだ」と挑発したのだ。
飯伏にとっては、痛いところを突かれた格好だろう。飯伏自身、雑誌のインタビューで「爆発」できていない現状を語っている。
そう考えると、棚橋の言葉は挑発であると同時に叱咤激励でもあるように思えてくる。10月23日の後楽園大会では6人タッグで対戦。試合後の棚橋は飯伏への挑発を「期待の裏返し」と語っている。
対する飯伏は、前哨戦で棚橋と激しくやり合い「テンションが上がってきた。気持ちが完全に上向きました」とコメント。これで大阪でのタイトル戦で飯伏が「爆発」すれば、勝ち負けは別として、棚橋の期待通りということにもなる。
頂点にIWGPヘビー級のベルトがあるだけに、インターコンチネンタル王座をめぐる闘いは独自性を打ち出す必要がある。それを見事にやってのけたのが中邑真輔だった。今、棚橋は高い能力を持っているのに頂点の闘いから離れている選手を刺激し、再生させるためにインターコンチネンタルのベルトを使おうとしているのかもしれない。
そうしてIWGPヘビー級とは違う価値観を打ち出すことで、棚橋自身の価値も上がっていくはず。新日本プロレスを現在の隆盛に導いた立役者は、今また立場を変えて新日本を盛り上げ続けようとしているのだろう。
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