麻雀の華といえば役満。誰もがアガりたいですし、目撃するだけでも盛り上がるものです。今回は、観る雀注目の近年の役満事件をご紹介します。伝説の当事者たちは、その時どんな気持ちだったのでしょうか?
まずは2015年11月、スリアロチャンネルでの天和事件!天和確率は、およそ33万分の1とも言われ、毎日麻雀を打つプロでさえ、アガったことのある人は20人に1人いるかどうかです。それをカメラの前でやってのけたラッキーボーイは、RMU所属の月島ひかるプロ。元ホストクラブの代表という異色の選手です。
親の配牌を取り、整理しながら、あまりの手牌の良さに一瞬手が止まる月島プロ。東が暗刻で赤牌が2枚、三色にまでなりそうだったという美しすぎる天和でした。「局が始まる前に風が吹いた。アガった瞬間は、集中していたので、アガっているなあとしか感じなかった」。プロの対局に私語は禁物ですが、この時ばかりは対局者たちも大騒ぎ。記念動画がアップされているので、皆さんもこの瞬間を見てみてください。
今年の2月には、フジテレビONE「極雀」にて前代未聞の大事件が発生。サバイバルルールで戦うハイレベルな対局番組で、まるで確率を無視した漫画のような事が起きたのです。それは…2局連続国士無双!
事件の当事者は、詩人の御徒町凧さんと、お笑いコンビ・キングコングの梶原雄太さんです。リーチしていた御徒町さんが、梶原さんに国士無双を放銃。順位による星取りゲームが後半戦に入ったところで、痛い一撃でした。そんな御徒町さんが、次局親番の配牌を取ると、ヤオチュウ牌が10種11枚。この時の気持ちを聞くと…
「満貫アガればプラスに復帰できる状況だったので、正直がっかりしました。半ば諦めモードで国士へ向かいましたが、“やれることは全てやろう”と考えていました」
その気持ちに応えるように手牌はぐんぐん育っていき…伝説の予感に解説席もざわつく中、梶原さんからの直撃で48000点!“2局とも同じ發待ちで”“前局アガった人から、放銃した人が直撃し返す”という奇跡だらけのアガリでした。
アガってもクールな御徒町さんは、周囲からもっと喜べと言われたそうですが、実は夢を見ているような気分で、喜べなかったのだとか。
御徒町さんは、初デートの日が雨でも、「最悪だ~」ではなく「やった、近づける!」と思うタイプ。そんなプラス思考と、ベストを尽くす対局姿勢が伝説を引き寄せたのかもしれません。ちなみにこの対局の模様も、公式動画で見ることができます。
一方今年は、悲劇の国士無双事件も起きました。石橋伸洋プロです。2月放送のRTDリーグ、一万で小林剛プロに放銃。4月放送のRTDリーグ、1ピンで内川幸太郎プロに放銃。7月には、スリアロチャンネル「鉄人最誕」にて、村上淳プロの5巡目テンパイに一索で放銃。
比較的頻出な役満とは言え、カメラの前で半年間に3度も放銃とはまさに奇跡。当の石橋プロの心中はというと…
1度目「こんな大事な対局で…ロボット(小林プロ)め…」
2度目「…(呆然)」
3度目「あら、おいしい…」
(この試合で負けても次の試合にチャンスがあるシステムでした)
3月には最高位戦Aリーグで国士無双をアガってもいるのですが、すっかり放銃の方のイメージがついてしまった石橋プロ。「国士で自分をイメージしてもらえるようになって大変ありがたいですが、どの対局もとても大事なのでもう放銃したくないです。皆さんのご期待に沿えず申し訳ない思いです」。これから役満をアガる方で、さらなる伝説を作ってほしいですね!
麻雀は、すべてが一期一会のゲーム。観る雀の皆さんも、たくさんの試合を見て、次の事件の目撃者になりましょう!【麻雀キャスター・小林未沙】
(C)AbemaTV