プロ野球ドラフト会議が10月26日行われ、大注目の早実・清宮幸太郎内野手は、7球団が1位指名で競合する中、抽選で日本ハムが交渉権を獲得した。清宮だけでなく中村奨成捕手(広陵)、安田尚憲内野手(履正社)にも人気が集まった裏で、大躍進したのが独立リーグの石川ミリオンスターズだ。

 2007年から独立リーグのベースボール・チャレンジ・リーグに参戦して以来、NPBには育成で2人指名されていたが、今回は支配下登録で3人が指名を受けた。育成を含めた指名では四国アイランドリーグ・香川オリーブガイナーズの4人が最多だが、支配下登録で1球団から3人指名は独立リーグでは初のことだ。

 支配下で指名を受けたのは横浜DeNA6位の寺田光輝投手、楽天7位の寺岡寛治投手、ヤクルト8位の沼田拓巳投手だ。3選手とも高校、大学と進み、石川の地で夢のNPBを目指してきた。元ロッテの渡辺正人監督、元日本ハムで選手兼投手コーチの多田野数人、総合コーチで元日本ハムの武田勝など、NPBの世界をよく知るOBたちの経験が、若い選手たちに確実に伝わった証しだ。

 独立リーグ出身で最上位の指名だったのは、西武3位の伊藤翔(徳島インディゴソックス)。今や独立リーグの選手は、育成で獲得して支配下登録を目指すのではなく、即戦力としても期待できる存在となりつつある。近い将来、上位指名の選手の所属欄に、独立リーグのチーム名が並ぶようになるかもしれない。