iPhone 8の発売から約1か月、ついに注目のiPhone Xが発売された。
その名の通り発売10周年を記念したスペシャルモデルの「X」は、"未来のiPhoneの姿を提示する存在"として、発売前から期待が高まっていた。一番の特徴はデザインだ。これまでの特徴でもあったホームボタンをなくし、ディスプレイを画面いっぱいまで広げた。そして従来の指紋認証に代わり、最新技術の「顔認証」によるロック解除を導入。他にもインカメラでのポートレート機能など、まさに10年間の総結集となっている。反面、気になる値段は11万2800円(64Gの場合、税別)と、歴代製品の中でも"超高級品"だ。
そんな最新テクノロジーを搭載したiPhone Xを、ITジャーナリストの三上洋氏が一足先にレビュー、実際の生活シーンに即して検証した。
三上氏が最初に行ったのが顔認証のための「FaceID」の設定。画面を見ながら"見得を切る"ように顔を回す。「寝るときは部屋が真っ暗。その環境でもロックが解除できるかが問題」と話す三上氏は、照明を落とした状態で顔認証をパスできるのか実験。また、寝起きの状態での顔認証も問題なくクリア。「朝の顔でも、白髪が増えた俺の顔でも大丈夫(笑)」と、まず顔認証機能に太鼓判を押した。
注目されるのが、カメラ機能の強化だ。弁当の画像を見ながら三上氏は「この光の加減とか、肉のしっとり感は今までのiPhoneでは出ない」と唸る。また、もともと搭載されていた広角に加え、望遠での撮影時にも手ぶれ補正が適用された。空の写真を撮った三上氏は「今ちょっと空はモヤモヤしているが、Xで撮るとモヤモヤせずにくっきり見える」と驚いた。さらにインカメラにもポートレートモードが追加された。「自撮りを綺麗に撮るならXにしたほうがいいですね」。
■「FaceIDの方が安全だ」
iPhone Xを1日試した三上氏に「iPhoneXのココがスゴい!」ランキングトップ3を聞いた。
第3位は「老眼にも最適な高画質!」だ。「Xのサイズは、iPhone 8と8 Plusの真ん中。端末の大きさは8に近いが、画面のサイズは5.5インチの8 Plusよりも大きい5.8インチ。ゲームやるときや動画を見るときは、老眼でもメガネを外さずに楽しめる」と三上氏。
第2位は「Appleらしくない『アニ文字』」。自分の声にあわせてキャラクターの口が動くという機能で、いわばアニメの吹き替えのようなものだ。これをメッセージとして送信することができるのだ。「キャラクターの種類もたくさんあり、顔を認識していない人でも誰でもできる」。
そして第1位は「気付かない『FaceID』」だ。三上氏は「寝起きでも外でも夜寝るときでも簡単に開く。しかもクレジットカード決済のときは改めて『本当に認証しますか。横のボタンをダブルタップしてください』という表示が出る。だから間違って決済しちゃうということもない。いざ大事なときはタップする。指紋認証がなくなることへの不安もあったが、実際に試してみると、FaceIDの方が安全だ」と絶賛。三上氏によると、寝顔や離れた場所からではロックが解除されることはなく、赤外線センサーが顔の凹凸を見ているので、写真でもロックの解除はできないという。「Appleは、ハリウッド製のリアルなマスクでも解除できないと言っている」。
iPhoneの購入意向機種の調査では、iPhone Xが58.7%、8が29.9%、8 Plusが11.3%となっている(出展:BCN)。また、男性が8に24.1%、8 Plusに9.4%、Xに66.5%なのに対し、女性はそれぞれ39.9%、14.7%、45.4%と、男性の方がXへの関心が高いようだ。「Apple大好きな人は目をキラキラさせて待っているが、一般ユーザーにも使って欲しい。認証の部分が楽になるというのは、普通の人にもピッタリな機能」と三上氏が太鼓判を押すiPhone X。売れ行きにも注目だ。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)