11月5日、後楽園ホールで開催の『Krush.82』では、-55kgのタイトルマッチが組まれている。チャンピオンは37歳のベテラン・寺戸伸近。挑戦者は久保賢司だ。
(Krush王座防衛に自信満々の寺戸)
久保はK-1ウェルター級王者・久保優太の弟で、一時期はボクシングに転向していたものの、今年4月のK-1でカムバック。トーナメント準決勝で寺戸を下している。両者の対戦成績は1勝1敗だ。
今回の対決は、寺戸にとってはベルトをかけてのリベンジマッチであり、また決着戦ということにもなる。しかも寺戸はK-1のトーナメントで眼窩底骨折を負い、今回が復帰戦。状況としては背水の陣と言ってもいいだろう。
しかし、寺戸自身はそうは思っていないようだ。
「(挑戦者には)若手の勢いのある選手が上がってくるのかなと思っていたんですけど、相手を聞いた時にちょうどいいなと思いました。俺の気持ちの中でもちょうどいいし、復帰戦の相手としてもちょうどいいです」
なぜなら、久保からは「まったく怖さを感じない」からだ。それどころか「感じるものが彼にはなかった」とも。直近の試合で敗れてはいるが、ケガの影響が大きかったと考えているようだ。
それに加えて「Krush -55kgは若手も含めて強い選手がどんどん育ってきている」、「(久保と)4月のトーナメントで対戦してみて、今までKrushでやってきた相手の方が強かったと思いました」というコメントも。いきなりK-1で復帰した久保ではなくKrush叩き上げの選手のほうを評価しており、自分はそのチャンピオンなのだというプライドが寺戸にはあるのだろう。
寺戸はキックボクシングで多数のベルトを巻き、世界王座も獲得した軽量級の代表選手。同時に倒し、倒されの激闘型ファイターでもある。1ラウンド中に2度ダウンし、同じラウンドに3度倒し返して逆転勝利を収めたことも。そうした修羅場の経験が、寺戸の自信につながっているはずだ。
Krush王座防衛の先には、K-1のベルトも見据えているという寺戸。激闘型のためトーナメントではダメージが大きくケガのリスクもあるが、ワンマッチならK-1でも抜群の強さを発揮する可能性がある。これまで数々の名勝負を繰り広げてきた寺戸にとっては、この防衛戦もいい意味でいつも通り。すなわち「完璧に倒す」だけだ。
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