グローブを着用せず、バンデージで固めた拳で殴り合うだけでなくヒジ打ちや頭突きも認められる過激ルールの格闘技・ラウェイの日本大会が11月15日に後楽園ホールで開催された。
これまでにも定期的に開催されてきた、ラウェイ日本大会。独自の文化を持つミャンマーの格闘技を“直輸入”することで、他のイベントとは一味違う熱気を生み出してきた。
とりわけ新鮮なのは、ミャンマーの選手たちの強さと迫力。ガチガチの拳で臆することなく打ち合う光景は凄まじい迫力だ。しかも日本人をはじめとする外国の選手と対戦する際には、ラウェイ母国としての意地を感じさせる試合ぶりを見せてくれる。
11.15後楽園では、後半3試合でミャンマーvs日本の3対3対抗戦がマッチメイクされていた。その結果はミャンマーの1勝2分(ラウェイは判定なし)。やはり本場ミャンマーの壁は厚いと痛感させられる結果だ。善戦しても、なかなかKO決着までもっていくことができないこともある。
特にインパクトがあったのは、ラウェイ4戦目となる蓮實光とパッキャウ・リン・ナインの対戦だ。パッキャウは17歳の新鋭。序盤は蓮實がボディへのパンチ連打などで猛攻を仕掛け、優位に立ったもののパッキャウは勝負を諦めない。するとパッキャウがしだいに盛り返し、蓮實が何度かマットに転倒。蓮實はラウェイ独自のルールである「タイム」でダメージ回復を試みたが、3ラウンド終了後にタオルが投入された。まさにパッキャウが意地でもぎ取った逆転勝利だ。
また、この大会の第1試合では、女子マッチも。リトアニアのユリア・ストリアレンコがミャンマーのブロニカと対戦した。ユリアは女子武道イベント『SEI☆ZA』のエースとして活躍してきた選手で、10月に『SEI☆ZA』卒業試合を行ない、今回の試合は『SEI☆ZA』所属としてのラストマッチになる。
試合は体格差もあって序盤からユリアが猛攻。ブロニカのローキックをものともせずに前進し、コーナーでパンチからヒザ、ヒジを連打してダウンを奪う。その後も優勢に試合を進めたユリア。ブロニカは試合中に右脚を痛め、試合続行不能に。TKOで勝利したユリアには、ILFJ女子王者のベルトが贈呈された。
勝利が決まると、感極まった表情も見せたユリア。打撃だけでなくグラウンドでのテクニックもあるだけに、これからさらに活躍の場を広げていきそうだ。