11月18日より開幕する新日本プロレスの「WORLD TAG LEAGUE 2017」。全16チームが参加し12月11日の福岡大会で優勝者が決定するタッグの祭典は、今年は例年とは違う雰囲気の大会となりそうだ。
オカダカズチカ、内藤哲也、ケニー・オメガ、棚橋弘至というトップ4人がエントリーされないという異例の発表あり波乱含みといった出場者だが、すでにカードが決定しているタイトルホルダーやG1覇者を敢えて排除することで、残りの全選手に与えられた1.4東京ドーム大会への最後のアピールの場ともいえる大会とも取れる。
ベテラン、中堅、新人、外国人選手が一線上に並べられ甲乙つけがたいし、未知数な部分も多い。大本命がいない故のリーグ戦ならではの盛り上がり方もあるだろう。
今回もAブロック、Bブロックに別れるが「どうしてこうなった?」と言うほど極端なブロック分けが実現した。
まずはAブロックに新日本プロレスの第三世代のテンコジこと天山広吉&小島聡組、永田裕志&中西学組というベテランチーム、そこにCHAOSの主力である後藤洋央紀&YOSHI-HASHI組、ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのSANADA&EVIL組、鈴木軍の鈴木みのる&飯塚高史組、BULLET CLUBのバッドラック・ファレ&チェーズ・オーエンズ組という各ユニットの今大会における主力級がズラリと並ぶ。
全く持って読めないラインナップに加え、ジュース・ロビンソン&サミ・キャラハンというWWE NXTの元スターによる日本のファンにはフレッシュなコンビも元抗争を広げて来た宿敵同志のコンビの大化けや、タッグチームとしては熟練を極めたハングマン・ペイジ&高橋裕二郎組が大会を掻き回す可能性も否定できない。強いて言えばSANADA&EVILというロスインゴの勢いを推したいが「なんの番狂わせもなく、EVIL&SANADAが支配していく。ノーサプライズだ。」と会見でEVILが語ったが、このタッグリーグ戦は簡単ではなさそうだ。
正直なところ全然予想が出来ないという意味では観る側の楽しみ方が問われるのがBブロックだ。本間朋晃の欠場で、2連覇のディフェンディングチャンピオンだった真壁刀義は新たなパートナー、ヘナーレを迎えることとなった。先日棚橋弘至を襲撃して悪名を轟かせたジェイ・ホワイトと並び外国人、ヤングライオンの期待の星が真壁組の大抜擢を受けどのようなパフォーマンスを見せるか見ものだが、マイケル・エルガン&ジェフ・コブ組、デビッド・フィンレー&北村克哉組、バレッタ&チャッキーTとフレッシュなタッグチームが並ぶ。化学反応によりとんでもない大化けする新チームも期待できそうだ。
さらに熟練ともいえるIWGPタッグ歴代王者のレイモンド・ロウ&ハンソン組、石井智宏&矢野通組、タマ・トンガ&タンガ・ロア組、さらにIWGPの現王者ランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr.組と、タッグリーグという観点では乱戦以外の選択肢が無い状態だ。正直なところBブロックの本命を挙げるのは不可能と断言したい。
繰り返し断言したいのは、今回の「WORLD TAG LEAGUE 2017」は本命なきタッグリーグ戦だ、この激戦をくぐり抜けた歴戦の強者が、年明けのイッテンヨンはもとより、2018年の新日本プロレスの戦線に置いて重要なキャスティングボードを握ることになりそうだ。
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