11月23日、K-1のさいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ大会でヘビー級王座決定トーナメントが開催される。新生K-1でのヘビー級トーナメントはこれが初。K-1の歴史はヘビー級から始まっているだけに、重要な意味を持つ。いわゆるビッグネームは出場していないが、むしろテーマはここからスターが生まれるかどうか。新生K-1らしいトーナメントと言える。
(ヘビー級トーナメントで危険な技を解禁するという上原)
期待したいのは日本人の活躍だが、重量級はやはり外国勢の壁が分厚い。まずは一回戦を何人が突破できるかがポイントだろう。日本人選手の中心と見られるのは、上原誠だ。RISEで2階級制覇の実績を持ち、外国人との対戦経験も豊富な上原は、新生K-1でもヘビー級の中心選手として奮闘してきた。
今回は念願のトーナメントであり、自身のキャリア、そしてヘビー級という階級自体の今後を左右する大事な闘いになる。そこで上原が狙うのは「サーカスのような試合」。それは単に派手というだけでなく、一歩間違えれば命の危険があるという意味だ。まだ試合で出したことのない、あえて封印してきた技があり、今回それを解禁するという。上原曰く「相手の選手生命にも関わってくる」。
1回戦で闘うパコム・アッシは「普通に負けない相手。早めに倒したい」と上原。決勝の相手は岩下雅大かイブラヒム・エル・ボウニを予想しているという。エル・ボウニは今年2月に上原をKOしているだけに、決勝で闘えばリベンジマッチとなる。エル・ボウニの実力には、魔裟斗も注目しているようだ。
しかし一発のパンチで試合がひっくり返ることもあるのが格闘技であり、とりわけヘビー級にはその要素が強い。ヘビー級のレジェンドであるモーリス・スミスは、テクニックを重視してロエル・マナート優勝を予想している。
ロエルは中菱級の名選手にして現在は名伯楽であるアンドレ・マナート氏の息子。またこのトーナメントには、ブランコ・シカティックの愛弟子であるアントニオ・プラチバットも出場する。難関ヘビー級で日本人が活躍できるか、それとも外国人スターが誕生するのか。勝ち負けとともにその内容や盛り上がり、そこから見えてくる新生ヘビー級の景色に注目だ。