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 横綱・日馬富士の暴行事件で沈黙を続けていた貴ノ岩関が23日、モンゴルの先輩である元小結・旭鷲山に胸の内を明かした。

 旭鷲山によると、貴ノ岩は「みんなが歌ったり話したりしている時、みんなが電話見たりしゃべったり普通にしていた時に急にバンバン叩かれた。(報道とは)全然違いますよ」と、事実と報道が異なると話したという。

 相撲協会に出された診断書は、頭蓋底骨折や髄液漏の疑いで全治2週間と書かれたもの。一方では「さほど重症ではない」という説も流れ、情報は錯綜している。暴行の翌日、鳥取巡業に参加していた貴ノ岩関だが、「傷がひとすぎて大銀が結えない」状態をなんとか整えて相撲を取り、その後症状は悪くなるいっぽうだったという。

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 貴ノ岩ははじめ、暴行の事実を公にするつもりはなかったのだという。「僕(貴ノ岩)はこのことを言わないで、なんとか話を静かに収めて終わらせるつもりだったけどそれが出来なかった。入院したり倒れそうになったり、耳が聞こえなかったり頭が腫れたりしたので、(貴乃花)親方がそこで『本当のことを言え』と。申し訳ないけど本当のことを言うしかないので、本当のことを言いましたと。(そうしたら)親方が『警察の問題だから』となっていった」(旭鷲山)と貴乃花親方に事件が伝わり、先月29日に鳥取警察に被害届を提出した。

 22日、貴乃花親方は日本相撲協会執行部に対して、貴ノ岩への聴取を拒否した。貴乃花親方は日本相撲協会への不信感をあらわにし、警察の捜査に全てを委ねる姿勢を崩していない。

 この先、事件が大きく展開するのは十一月場所後の1週間。27日に横綱審議委員会で日馬富士の処分が話し合われ、30日には相撲協会の理事会で八角理事長、貴乃花親方、伊勢ヶ濱親方が会し、今回の事件の処分が示される見方がある。

 貴乃花親方が無言を貫く理由について、『けやきヒル’sNEWS』(AbemaTV)に出演したアーサー・ホーランド牧師は「彼なりの価値観では」と見解を述べた。

 「貴乃花親方について考える時、ある言葉を思い浮かべる。彼が大関になった時、『不撓不屈』(どんな困難があっても決して心がくじけないこと)という精神で相撲道に励むと話した。もう1つは横綱になった時の『不惜身命』(死をもいとわない決意)。ネガティブな意味ではなくて、横綱になった“献身者”としての姿勢が彼の中にあるのだろう」と2つの言葉をあげるアーサー氏。

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 続けて、日本相撲協会理事としての立場はあるとしつつ、「自分の部屋の可愛い、育ててきた子ども(弟子)が傷つけられた。学校でも自分の子どもが傷つけられたら親は当然感情的になって、学校が隠蔽することがあれば法律の助けを求めたりする。彼は大相撲を改革したいと考え、協会に対しても疑問を持っている人。普通に見れば『組織の人間なのに何でちゃんと報告しないんだ』という部分も大いにある訳だけど、この相撲が行われている最中は巡礼者がメッカに来るようなものだから、この聖地で戦っている時は『自分は何も言わない』と。終わってから口を開くのではないか」と見解を述べた。

 また、その姿勢に対して「大相撲という宗教の“原理主義者”のような印象を受ける。彼の相撲道に対する姿勢が表れているんじゃないかなと。色んな報道があるけど、黙って今は相撲に集中するという彼なりの価値観。周りはついて行けないかもしれないけど」と話した。

(AbemaTV/『けやきヒル’sNEWS』より)

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けやきヒル’sNEWS キャスター:柴田阿弥 | AbemaTV(アベマTV)
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