2017年はDDTプロレスの旗揚げ20周年という記念イヤーであり、また団体史上最も“激動”の年になった。次から次へと変化が起きたのだ。
まずは3月、20周年記念大会をさいたまスーパーアリーナで開催。メインで竹下幸之介がHARASHIMAを下し、団体のシンボルであるKO-D無差別級タイトルを獲得した。これはビッグイベントでのタイトル移動だけに、世代交代の意味も大きい。
その後、竹下は4月の後楽園ホール大会で遠藤哲哉と60分フルタイムドローの死闘を展開するなど、防衛戦のたびに成長。王者として、新エースとしての風格を増していった感がある。7月のマイク・ベイリー戦も名勝負だった。
6月にはKING OF DDTトーナメントで遠藤が優勝、8月の両国国技館大会で竹下とのリマッチが実現するが、竹下はこの大一番で完勝してみせた。竹下は歴代最多防衛を達成、団体史上に残る実力派王者になったと言っていいだろう。
また、この両国大会では高木三四郎vs男色ディーノも実現。勝ったディーノがリング上の全権を掌握、プロデューサーに就任することになった。“男色政権”ではタッグ王者のHARASHIMA&丸藤正道の初防衛戦の舞台を「工場プロレス」とするなど、DDTらしい攻めのマッチメイクを実施している。
そしてDDTにとって、またプロレス界にとっても衝撃だったのが、9月に発表されたサイバーエージェントグループ入りだ。9月24日の後楽園大会からは、サイバーエージェントが出資するAbemaTVでの生中継も始まった。
ファンを安心させたのは、リング上で挨拶したサイバーエージェント・藤田晋社長の「DDTを変えるつもりは一切ありません」という言葉だった。藤田社長がDDTに惹かれたのは路上プロレスの映像がきっかけだったそうだ。
この9月大会では、ディーノvsスーパー・ササダンゴ・マシンもマッチメイク。ササダンゴは恒例の“煽りパワポ”プレゼンで、さっそくサイバーエージェントグループ入りをネタにしてみせた。
12月からはディーノが『The Night』(AbemaTV)でMCを担当、系列団体の東京女子プロレスも1.4後楽園大会が生中継と露出も増えていく中で、DDTはさらなる飛躍を果たせるか、またどんな選手にスポットが当たっていくのか。これまでプロレスに限らずスポーツ、エンターテインメント業界はブレイク=地上波というイメージもあったが、それを覆せるかどうかも含め、今後もDDTへの注目度は高まっていくだろう。