魔裟斗、小川直也、山本“KID”徳郁、武尊の推薦選手が賞金とK-1との契約を目指す「格闘代理戦争」(AbemaTV)。その魔裟斗の推薦選手が決定した。
これまでさまざまな格闘技を経験してきた25歳、松村英明だ。そのポテンシャルを魔裟斗に評価されただけでなく、この企画に挑戦するため仕事をやめて地方から出てきたという気合いの入り方も注目されている。そんな松村さんに、魔裟斗から合格が告げられた直後にインタビュー。その心境を聞いた。
ーー何も知らされないままで来ていたんですよね?
松村 はい、何も知らなくて、初めてのK-1観戦というつもりで来てました(笑)。他にも候補者がいて、その人と対面するのかと思ってましたね。それが、まさかの(笑)。
ーー合格が告げられた時はどう思いました?
松村 仕事やめて正解だったなと、まず思いました(笑)。これだけをやる準備をしてたので、それでよかったなと。
ーートライアウトでは、魔裟斗さんから参加者に対して厳しい言葉も出ていましたが、その中で自分が選ばれる自信はあったんですか?
松村 自信ですか? ……自信があるとかないとかじゃなかったんですよね。「選ばれなければ終わりだ」みたいな。100%選ばれよう、と思ってました。自信がある、ないっていうと、「選ばれない」って選択肢も自分の中にあるわけじゃないですか。そういうのは一切なかったので。
ーー魔裟斗さんが現れる前の様子も見ていましたが、ヒマさえあればブンブン振り回してシャドーしてましたね。
松村 ハハハ。正直、ジムで練習とかしてないんですよ。仕事が終わって寝るまでの間とか、昼休みとかしか動く時間がないので、少しでも時間があったら確かめてます。駅のホームとかでもやってますからね(笑)。転職活動だと思ってるので。受験勉強だと、ずっと勉強してるじゃないですか。そういう感じでやってます。
ーー「魔裟斗推薦選手」という肩書きがつくわけですが。
松村 ……正直言うと、俺はメッチャクチャ高いところしか見てないんですよ。そこに行けるように努力しようとしていて、その意味では魔裟斗さんが現役時代にしていた考え方や行動に近いやり方はしていると思います。だからその肩書きもしっくり来るんじゃないかなと。感覚は魔裟斗さんと近いのかなと思いますね。これで食えないと死んじゃいますから(笑)。
ーー魔裟斗さんと会ってそれが確信できた?
松村 身長とか体格も似ているので、同じような形に決まってくるのかなと思うんですよね。本気で世界を考える人は、方向性が似てくるんじゃないですかね?
ーー1月の試合まで、覚悟は決まってますか?
松村 そうですね。覚悟はかなり前から決まってます。今も時間がない中、疲れ切って気絶するみたいに寝るような生活してますからね。ずっと家とか海辺でシャドーしていたので、K-1ジムシルバーウルフで対人練習できる環境が手に入るのはうれしいです。助かりますよ。
番組スタッフも編集部も「物静かで朴訥とした青年」というイメージしかなかった。トライアウト中は特に目立った存在でもなく、第二次選考のスパーリングまでノーマークだったと言っても過言ではないだろう。
そんな松村だったが、魔裟斗からの突然の「合格通知」を受け、たった数分で物静かな青年からファイターに覚醒したように見える。「魔裟斗推薦選手」としてのインタビューだったが、その中で見せた表情や強い言葉にもそれははっきりと感じられた。「人生を変えたい」と退路を断ち、応募してきた"原石"が、それを現実にしつつある。
しかし、まだスタートラインにも立っていない。むしろプレッシャーの方が大きい。これからこの修羅の道をどう歩んでいくのか?注目したい。