「格闘代理戦争」で2回にわたる審査を勝ち抜き、「魔裟斗推薦選手」の座を獲得した松村英明。サプライズで結果を言い渡された11月23日、K-1・さいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナのバックステージで、魔裟斗とともに他の推薦選手の映像を見ることに。“ライバル”たちの動く姿に、松村の目は釘付けとなった。
まずは山本KID徳郁推薦のスソン。その高い身体能力にKIDがベタ惚れの逸材だ。すでに映像はチェック済みという魔裟斗は「強いと思いますよ。ただ、試合を見てみたいんですよね。右利きのサウスポーだと思うんですけど」と分析すると、松村は「俺、サウスポー相手は得意です」と返答。かつてボクシング部での練習で、ずっとサウスポーの相手と練習していたという。魔裟斗は「スイッチしてくると思うけど、サウスポー得意なら問題ないよ」と太鼓判。
スソンがテコンドー仕込みの変則的な蹴りを見せていることに、魔裟斗は「名王者に変則的なタイプはいないですから。僕はああいうタイプはわりと得意」と、かつて対戦したセルカン・イルマッツの名を引き合いに出す。そうした経験がこれから松村に伝授されていくことだろう。
その後も映像を見ながら2人で言葉を交わす間に、魔裟斗はスタッフに対し「彼は飄々としてるでしょ?気が強いんですよね。一流選手に気の弱い選手はいないですから」と、早くも松村を評価。映像を見ながらの2人の会話はどんどん技術的な内容になっていき、松村は魔裟斗に答えつつ対戦に向けて自信をうかがわせる表情を見せた。
続いては小川直也推薦選手・小倉拓実の映像に。柔道エリートだが打撃は未経験である小倉のスパーの様子を見た魔裟斗は思わず「オイシイな」とニヤリ。松村がすかさず「あのジャブなら右クロスで合わせられますね」と言うと、「同じこと思ってた」と魔裟斗。松村が「あれぐらいだったら簡単ですね」と笑顔を見せると、魔裟斗も「タフネスがあっても正確に当たれば大丈夫。あの手のタイプは簡単に倒れますから。好きなようにやれると思います」と自信満々。スタッフに聞かれた松村がさらに戦法を語ると、魔裟斗が「あんまり言うな(笑)」と制止する場面も。
松村の動物的な動きを決定の理由の一つに挙げていた魔裟斗が「マイク・タイソンみたいなんですよ。タイソン松村です」と評すると、松村は「僕のツイッターアカウントは『@ironmatsumura』なんです」と、タイソンの異名「アイアン」を入れていたことが判明。最初から妙に気が合う魔裟斗と松村の様子に、試合までの練習にも期待が高まる。1月のトーナメントでは、魔裟斗によって仕上げられた「タイソン松村」が降臨するのか!?