12月17日、横浜文化体育館で、大日本プロレス恒例のビッグマッチが開催された。
ラスト2試合は大日本が誇る2大王座をかけたタイトルマッチ。セミでは鈴木秀樹が持つBJW認定世界ストロングヘビー級タイトルに橋本大地が挑み、3カウントを奪ってチャンピオンになった。フィニッシュは父・橋本真也が得意としていた垂直落下式DDTだ。
まさに渾身の一撃で初戴冠を果たした大地は、インタビュースペースで肩にかけていたベルトを腰に巻き「やっぱりベルトなんだから巻かないと」。正統的な王者としてのスタンスを大事にするようだ。
とはいえ試合に関しては「まだまだ」と振り返っており「これからチャンピオンとしてステップアップしていかないと」というのはファンにも共通する思いだろう。
これまで常に「あの橋本真也の息子」として見られ、話題先行になりがちだった大地がどう成長していくか。また入場曲や必殺技などは偉大な父を受け継ぎつつ、自分だけの“色”をどう出すかはレスラー人生最大のテーマと言ってもいい。
「親父はIWGPを極めた。俺はBJWストロングを極めたい」と大地は言う。
そしてメインはBJW認定デスマッチヘビー級選手権。王者・竹田誠志が高橋匡哉を相手に壮絶な狂いっぷりを見せた。クリスマスシーズンということで蛍光灯で作ったツリーに加えガラスボードを使用、さらに竹田はハサミ、フォークを突き立てたケーキのオブジェまで持ち込む。竹田のテンションに呼応するように高橋の攻撃も迫力を増し、大流血の両者だけでなく会場全体が“デスマッチ・ハイ”とも言える状態に。
クライマックスはガラスボード上へのスパイダージャーマン。リバースUクラッシュで高橋にトドメを刺した竹田は、次の挑戦者に塚本拓海を指名した。その舞台は1月2日の後楽園ホール大会だ。
「正月にふさわしくない、狂った試合してやる!」と観客にアピールした竹田。他団体でも活躍する関本大介、岡林裕二(現在は欠場中)、プロレス大賞・技能賞受賞の鈴木とストロング勢が注目を浴びる中、この夏に悲願の戴冠を果たした竹田には大日本におけるデスマッチという看板自体を守り、盛り上げていくという使命感がある。その証明が、大流血であり狂った闘いぶりなのだ。
文・橋本宗洋
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