K-1ファイター登竜門「格闘代理戦争」(AbemaTV)。レジェンドの推薦者が決定、それぞれが実戦さながらのトレーニングモードに突入した。
小川直也が推薦した柔道エリートの21歳、小倉拓実は中学、高校の年代別大会優勝という経験とともに、このトーナメントにエントリー。しかし立ち技および打撃系格闘技未経験者ということで、今回参加する選手の中で最も不利ともいわれているのが実情だ。
魔裟斗推薦の松村英明は「簡単にクロスを合わせられそう(笑)あれくらいなら簡単です(笑)おいしい相手」と、対戦前から眼中なしとばかりに、楽観的な分析をしているが果たしてそうだろうか?
柔道からプロレス、総合格闘技へと華麗なる転身を遂げた先駆者、小川のネットワークを活かし、K-1に次々と実力者を送り込む小比類巻道場の門を叩きつつも、初スパーリングは防戦一方、追い込まれて反則の柔道技を繰り出すといった不安な一面も見せたが、さらなる打撃強化を図るべく、ボクシングのピストン堀口道場へ。
日本ボクシング界のレジェンド、ピストン堀口の孫である堀口会長率いいるジムは、小川がPRIDE参戦の際に打撃の腕を磨いた原点ともいえる場所だ。
小比類巻道場でのトレーニングを、K-1への適応への第一歩とするならば、ボクシングジムでの特訓は一撃必殺、相手を倒すための技術。前回のK-1アマチュアとのスパーリングでも、数十発もの蹴りを耐え抜いた小倉の強い肉体は十分に証明されたが、「肉を切らせて骨を断つ」という言葉通り、一撃必殺を狙う。これが小川陣営のプランの一端といえよう。
小川も「毎回激しい足払いをやられているんだよ。しょっちゅう蹴られ慣れているから」と指摘する通り、柔道の組合いと足払いの攻防を組んで至近距離のローキック合戦という風に想定することもできるのだ。柔道の有段者にとっては「急所を外せば、蹴りを貰うことはさほど問題ではない」というのが共通認識なのだ。柔道の掴みのスピードなどをボクシングの打撃に転用するというアイディアは一見すると短絡的な印象もあるが、かつて小川直也が手探りでMMAの世界に殴り込みをかけたように思わぬ一撃が小川陣営の勝利の鍵となりそうだ。
すでに各陣営の推薦者が確定した中で、小倉が注目している相手は山本KIDの推薦ファイター、スソンの名を挙げた。元々ビックマウス癖のある小倉はスソンに対して「そんなに大したことじゃない。自分は立ち技じゃないですけど日本一になったので、レベルが違うよということを見せてやろうかと。優勝したといっても団体でしょ?他の選手が強かったんじゃないですか?」と強気の発言。
「スソン君は向こうもイケイケなんで面白い試合になる」という小倉に師匠の小川から「“くん”は要らねえな。馬鹿野郎!かかってこい!お前なんか相手じゃなねえとかガンガン言え!」と恒例のトラッシュトーク教室が始まるが、小倉が「スソン バイソン 涙そうそう・・・また戦う日が処刑日なのでぶっ殺します」と謎の韻を踏んだ煽りトークを披露。あまりにも不思議キャラすぎて、ますます予測不可能な雰囲気を醸し出している柔道エリート・小川に秘策はあるのか?気になるところだ。