将棋界の人気者が、熱く闘志を燃やしている。AbemaTV「花の三番勝負 白黒はっきりつけましょう」の第1局で、室谷由紀女流二段は同い年のライバル、香川愛生女流三段と激突する。「彼女(香川)がいなければ、私はここまでやれていない。でも私は常に彼女より下」と剥き出しの対抗心を見せた。
2年連続で女流棋士の最多対局賞を受賞した室谷女流二段だが、もともと描いていた未来予想図とはだいぶ違う。「10代の時の自分が描いた23、24、25歳の理想像とは違いました。もっと将棋で活躍しているはずだった」と、苦悩を口にした。「自分の将棋は長所も短所もないなと。調子というよりは実力が足りていないですね」と、自己評価はかなり厳しい。
ライバルに先を越されていることが、苦悩をさらに強くする。香川女流三段は、女流王将を2期獲得。「私もそこを目指してやっていかなくては、というのがありますね」と、同い年の女流棋士として親交を深めるよりも、距離を置いて切磋琢磨することを選択した。
休日には昼から1人で酒を飲むことが多い。「1人は結構いいんですよ。楽しくて。考え事したりとか。別に寂しくないですよ」と笑った。将棋以外の活動でも社交的に多数の人と関わる香川女流三段とは対照的。男性についても「ありのままの私を好きになってくる人じゃないと無理ですね。こっちから合わせようとはしません。無理、無理、無理。無理ですね」と、どこまでも我が道を突き進む。近くて高い壁を乗り越えた時、勝利の余韻に浸りながら飲む一人酒は、きっと格別の味だ。
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