家から出かける兄を追いかけるために将棋を覚え、ついにはプロになってしまった女流棋士がいる。中村桃子女流初段だ。聞き手としても活躍し、AbemaTV「花の三番勝負 白黒はっきりつけましょう」の第3局には対局者として登場するが、将棋を始めたきっかけは、兄の中村亮介六段だ。「お兄ちゃんがやっているから一緒に遊びたい、一緒に遊びたいからやりたいっていうのがきっかけですね」と、“お兄ちゃんっ子”ぶり全開だ。
幼少期は、2つ上の兄・亮介六段にとにかく付いて回った。「ずっと遊んでもらっていたんですが、兄が将棋を覚えて道場に行き出してからは、遊ぶ相手がいなくなって。私は道場に連れていってもらえなかったから、大泣きしたんですよ」と懐かしんだ。大好きな兄と、今後も遊んでもらう方法はただ1つ。将棋を覚えることだった。「本当に遊んでいる感覚でしたね。常に身近に兄がいたので、一緒に勉強できる環境があったのは大きいです」と、後に本格的に将棋の道に進んだ時も、兄の存在が支えになった。
お互いプロとして将棋を指すようになってからはそこまで会話は多くないが、会った時には「私の公式戦の棋譜は見てくれているようで。それについて話す感じですね」と、今や将棋が会話の主軸になっている。小さいころは仲良くても、徐々に距離が離れることもあるのが家族。中村家の兄と妹は、将棋という絆で今もしっかりとつながっている。
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