12月26日、プロレスリングFREEDOMSの後楽園ホール大会が開催された。前日の葛西純プロデュース興行に続き、この日は団体の代表でもある“殿”こと佐々木貴がプロデュース。『プロレス戦国時代 群雄割拠』と題し、全国から集まったローカル団体の選手たちが“天下統一”を目指す6人タッグトーナメントが行われている。
(大会プロデューサーの佐々木貴と琉球ドラゴンプロレス勢)
『群雄割拠』は今回が2度目の開催。現在のマット界を反映した好企画と言っていい。いまやインディー団体は東京だけでなく全国各地に存在しているのだ。1990年代以降ルチャ・リブレ、デスマッチなど試合スタイルの志向も幅広くなっており、それだけに“いい試合”の定義もさまざま。インディーや地方の団体、選手がイコール二流ということでもない。各地方に個性派も実力派もいて、東京のファンにもおなじみの存在もいれば“まだ見ぬ強豪”も。
それぞれの地元で根を張って活動してきた選手たちと「噂に聞いていたあの選手」を見に来たファン、つまりはプロレスが好きで好きで仕方がない人間ばかり集まった平日の後楽園ホール。トーナメントには以下の6団体が参戦した。
ダブプロレス(広島)
プロレスリングDEWA(山形・宮城)
チームでら(愛知)
イーグルプロレス(栃木)
道頓堀プロレス(大阪)
琉球ドラゴンプロレス(沖縄)
優勝を果たしたのは、琉球ドラゴンプロレスのグルクンマスク&ウルトラソーキ&ヒージャーキッドマン。決勝はダブプロレスのグンソ&“brother”YASHHI&木下享平を下している。最後はソーキと木下、若い選手同士のマッチアップでスリーカウント。地方の団体、選手というだけでなく、各地で新世代が育っていることも印象づけた。ハードコア、デスマッチで東京のコアなファンをも熱狂させているダブプロレス勢と、琉球ドラゴンプロレスのマスクマントリオがぶつかるという構図も新鮮だ。
大会をプロデュースした佐々木は、「近い将来、第三回を」と大会継続を示唆。一気に名前を上げるチャンスだけに、ローカル団体のひのき舞台として重要な大会になっていくだろう。
もちろん、単なる中央進出のチャンスというだけでもない。「俺たちが今日、優勝したのはあんたら(観客)を沖縄に連れてきたいからだよ!」と試合後のグルクンマスク。『群雄割拠』は各地の団体が一度に見られる大会であり、全国各地にプロレスを見に行きたくなる大会でもあった。
文・橋本宗洋