12月29日、31日の2日間の日程で、さいたまスーパーアリーナで開催される「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017」。大晦日のビッイベントとはいえ バンタム級トーナメント、女子スーパーアトム級トーナメント 2nd ROUND/Final ROUND、RIZIN KICK ワンナイトトーナメントと3つのトーナメント戦が組まれる異例の大会となる。中でも進行形のMMA団体「RIZIN」をアピールするトーナメントが堀口恭司らが参戦する「バンタム級トーナメント」だ。
日本のファンにはお馴染みともいえるトーナメント方式の大会。かつては1日で全てを決する過酷すぎるトーナメントも存在したが、より競技化し過酷さを極めた現在の総合格闘技で、中1日開くとはいえ2日で最高3試合戦うというのは、かなり厳しいことだ。
前述で「現在進行系の…」とこのバンタム級のトーナメントについて前置きしたのはやはり日本人としてUFCで最もトップに近いランカーだった堀口が参戦していることが挙げられる。
修斗などでの実績を経て2013年からUFCに参戦、フライ級の絶対王者「マイティマウス」ことデメトリアス・ジョンソンに敗戦するまで4連勝、その後も3勝を重ね戦績は7勝1敗、今のところトップリーグでの日本人ファイターとしては最高の成績の持ち主だ、さらに加えると近年のUFCでの日本人ファイターで、タイトルに届く位置にいたのは、この堀口と、ミドル級の岡見勇信の2人だけだ。
そんな堀口の昨年の「RIZIN」への電撃参戦は、UFCのトップ戦線での争いの真っ最中ということもあり驚きをもって迎えられた。かつての大物ファイター中心によるレジェンドリーグという印象が強かったRIZINを“現在進行形”に変える突破口ともいえる。
すでに元谷友貴と所英男との2つの試合では格の違いを見せつけ、今回のトーナメントが本当の意味でのメジャーリーガーの本領発揮といえる大会になりそうだ。1階級上げてのバンタム級での参戦ということもあるが、初戦を戦うガブリエル・オリベイラは初戦で実力者・川尻達也を撃破しており、続く堀口を倒し日本人トップ総崩れを目論む。ブラジルのローカルプロモーションから参戦した野心溢れる対戦相手にとっては血眼になって堀口超えを狙ってくるだろう。
このオリベイラ戦に続くのは、すでに血気盛んにリング外でもひと悶着起こしている、イアン・マッコールとマネル・ケイプの2人。マッコールも堀口同様UFCでデメトリアス・ジョンソンを追い込んだ実績のある軽量級のトップの一人。対するマネル・ケイプはこの秋のトーナメント1ラウンドで山本アーセンを秒殺し一躍時の人となった。どちらが上がってきても難敵になることは間違いない。
MMAルールでのトーナメントということで、体力の消耗、怪我などさまざまなファクターを考えると、3試合目の31日に決勝戦にどの選手が勝ち上がるかなかなか読みにくいのがこのバンタム級トーナメント。「RIZIN」が世界に向けてアピールする正真正銘のトップ戦線に注目したい。