“神童”那須川天心が大晦日のRIZIN(さいたまスーパーアリーナ)で圧倒的な力を見せつけた。
この日、那須川が出場したのは4名参加のキックボクシングトーナメント。以前から、MMAだけでなく立ち技も盛り上げたいと「RIZINでキックの試合がしたい」と言ってきた那須川にとって念願の闘いだ。
とはいえ通常のトーナメントとは違い、パンクラス王者の砂辺光久、ボクシング出身の藤田大和、素手の格闘技ラウェイのチャンピオン浜本“キャット”雄大というメンバーが集った、いわば他流試合なのが RIZINらしさ。
だがそれでも、那須川の強さは揺るがない。初戦は浜本をパンチでダウンさせ、その直後に豪快な飛びヒザ蹴りでフィニッシュ。決勝は10月の福岡大会で対戦した藤田とのリマッチだったが、MMAでの好勝負から一転、キックでは那須川に付け入る隙はなかった。
藤田に何もさせないまま、パンチとヒザを的確にヒットして3度のダウンを奪い、TKOで優勝を決めた。
試合後の那須川は「MMAも最高だけどキックも最高だということが見せられたと思います」と会心の笑顔。さらに次の目標を聞かれると「世界最強を決めるキックのトーナメント」の開催を提唱。闘いたい相手は自分からは言わず、観客に「誰と闘ってほしいですか?」と問いかけることで、対戦が実現していない“あの男”に大アピール。
RISE、KNOCK OUT、 RIZINと3つの舞台で大活躍した2017年を最高の形で締めくくった那須川。2018年は、さらに「誰も手の届かないところ」に上り詰めるのか。期待が膨らむ大晦日となった。