将棋界で注目の女流棋士が対決するAbemaTVの新春企画「花の三番勝負 白黒はっきりつけましょう」の第1局が1月1日に放送され、香川愛生女流三段が室谷由紀女流二段に勝利した。「実力・人気No.1は譲れない!同い年ガチ対決」と銘打った2人の対局は、ライバル心をそのまま表すような激しい展開に。タイトル2期の実績を持つ香川女流三段が、新春にふさわしく華やかな対局を制した。
境遇が似るほど、対抗心は強くなる。性格こそ違えど、年齢も棋風も一緒。そのため結果が如実に2人の差としてくっきりと浮かび上がる。香川女流三段が「本当にライバルって私が宣言しているような人」と話せば、室谷女流二段も「一番、意識していますね」と本心を隠さない。心のぶつかり合いは、そのまま盤上の駒へと乗り移った。
序盤から戦いが始まる展開に、香川女流三段は「室谷さんが普段以上に戦う姿勢を見せてくれて、それが本当にうれしくて、感慨もある戦いでした。複雑で、お互い一筋縄ではいかない戦いでした」と振り返った。気持ちの乗った2人がぶつかれば、きっといい勝負ができる。互いの力を認めなければ生まれない関係だ。中盤、終盤と確実に室谷女流二段を攻め立て、寄せ切ったが「結果は幸運でした」と口にした。
2人とも1993年生まれで、今年25歳になる。将棋界には若さによる直感・判断力と研究による知識がほどよく重なるこの時期に実力がピークになるとして「25歳最強説」というものがある。実際、5つのタイトルを持つ里見香奈女流五冠も、現在25歳だ。香川女流三段、室谷女流二段が切磋琢磨し、絶対的な存在として君臨する里見女流五冠に挑戦するようになれば、「藤井フィーバー」で沸いた2017年とはまた違った形で、将棋界は活気づく。
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