明けましておめでとうございます。青木真也です。今年もどうぞよろしくお願いします。
年末年始は格闘技大会の結果を気にしつつ、故郷である静岡で過ごしました。年末年始を静岡で過ごすのは大学4年生の2005年以来です。格闘技選手を仕事にしてから年末大会のスケジュールで動いていたので、年末年始をゆっくり過ごすのは働いていないように感じてしまいます。
時代の流れは残酷で、ずっといい状態でいることはできません。格闘技界も新しい世代が出てきました。僕の常識では到底考えられないパフォーマンスを、自動販売機のおしるこを飲むように平然とやってのけます。2018年は運命と抗っていきます。青木真也はここからが勝負です。うんこ食ってろ精神は健在です。
RIZINの年末大会は(バンタム級トーナメントで優勝した)堀口恭司選手の「強さ」での表現が群を抜いていました。彼は強いことで表現しています。強い一点で人を魅了する。格闘技選手ならば誰もが憧れてできないスタイルで魅了しています。彼はアスリート文脈です。あっぱれだ。ただ皆が勘違いして目指すとリスクが大きいと思うぞ。彼だからできる芸だ。皆が大谷翔平じゃないんだ。
改めて僕は“格闘小作農”として頑張ろうと思えました。
さて元旦は母校である静岡学園柔道部の初稽古に参加してきました。卒業生の子供たちが柔道をやっている割合が多いのです。不思議に思ったので尋ねてみました。野球サッカーを志す子供が大半の中で、柔道をやれば競争相手が少ない。そこに少子化も相まって、少しやれば上位の成績が取れる。進学にも有利なのでやらせるとのことでした。
これは賢いですよ。奥さん。競争相手が多いところで勝つよりも、競争相手がいないところで勝つ方が楽です。優秀なのにも関わらず、競争相手が多いところでくすぶってる選手はバカだと思うのです。とりあえず自分が勝てそうなもので勝負するのは賢者の選択です。野球サッカーなどのメジャースポーツでイマイチ上に行けていない選手はその恵まれた身体能力を他のスポーツで活かすことも考えるといいぞ!
2018年も人生山あり谷ありモハメドアリの精神で頑張っていきましょう。
こぼれ話:年末に試合をしないと格闘技選手として飯が食えていないと思われがちですが、1日に玄米4合と味噌と少しの野菜を食べるくらいはできていますので御心配なく。
文/青木真也(格闘家)