いよいよトーナメント1回戦を迎えた「格闘代理戦争」。その第1試合を戦うのは魔裟斗推薦の“ミスターフルボッコ”松村英明と、小川直也推薦の“暴走柔道野郎”小倉拓実だ。魔裟斗自らがミットを受け「石みたいに硬い」と驚く松村の拳か、それとも柔道での実績に小比類巻貴之が伝授した打撃を上乗せした小倉が「下馬評最下位」から大アップセットを起こすのかが注目された。
松村の入場時にはラッパ我リヤが登場。松村をテーマにしたラップで観客を煽る中、緊張感を漂わせながら本人がリングイン。対する小倉は荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」で入場し、サビでは何と師匠・小川直也とともにダンスまで披露。2人は入場から観客を惹きつけた。
1R、先に仕掛けたのは意外にも小倉だった。リングを大きく使いながら前に出ると果敢にパンチを当てていき、タックルのように組んでからの「コカし」も見せる。
まだギアが入りきらない様子の松村に、小倉が先制攻撃で勝利してしまうのか。そんな予感すらある展開だったが、ラウンド後半になると松村も緊張が解けたか、左右のパンチや前蹴りをヒット。左アッパーやフックで小倉を大きく下がらせる。
2Rは完全に松村ペース。強烈なローも効かせ、左フックから右ストレートでダウンを奪う。小倉は鼻血を流しながらもタックルで抵抗するが、松村がさらに畳みかけ左右のパンチを連打したところでレフェリーがストップ。インパクト十分のKO劇で松村が決勝進出を決めた。
魔裟斗が見込んだ松村の「倒す力」がフルに発揮されてのKO勝利となったが、小倉も打撃経験2ヵ月とは思えない勝負強さで健闘を見せた一戦だった。
試合後の松村は「すごくうれしい。小倉の挑戦する姿がすごいと思った。感謝したい」とリング上でコメント。いったん控室に戻るとすぐにリングサイドに現れ、決勝の相手が決まる第2試合を見守った。