政界、芸能界、スポーツ界など、いろいろな業界で話題となるのが親子や兄弟・姉妹といった家族・血縁関係。親子で活躍すれば、記事でも「親子鷹」と表現されることもしばしばだ。将棋界にも親子、兄弟姉妹で活躍するケースもある。

◆親子・兄弟の現役プロはそれぞれ1組

 西川慶二七段と西川和宏六段は棋界6組目・戦後では唯一の親子棋士だ。もちろん、和宏六段の師匠は慶二七段。和宏六段がプロ入りしたのが2008年でまだ公式戦での親子対局は実現していないようだが、いつか見てみたいものだ。

 畠山成幸八段と畠山鎮(まもる)七段は双子のプロ棋士。プロ棋士になるための養成機関である奨励会で、半年に1度、成績上位2人がプロ棋士になれる「三段リーグ」が行われるが、畠山兄弟は平成元年の三段リーグで同時に四段昇段するという奇跡を見せた。

◆父・母・娘がプロ

 男性プロと女流プロの組み合わせは何組かある。今最も代表的なのは塚田泰明九段(父)と塚田恵梨花女流1級(娘)。泰明九段は「つかぽん」、恵梨花女流1級は「えりぽん」というあだ名があり、親娘セットで「両ぽん」と呼ばれている。なお、泰明九段のパートナーであり恵梨花女流1級の母は高群佐知子女流三段。恵梨花女流1級は棋界のサラブレッドであるとも言えるだろう。

◆父娘プロは2組

 父娘でプロの例は2組ある。伊藤果八段(父)と伊藤明日香(娘)女流初段は初めての父娘プロ。2人とも競技プロとしては引退しているが、果八段は詰将棋作家、明日香女流初段はテレビ対局の記録係などとして活躍している。

 飯野健二七段(父)と飯野愛女流1級(娘)もそうだ。健二七段は競技プロとしては引退。愛女流1級はテレビ対局の棋譜読み上げやAbemaTV初級講座のアシスタントなどでもおなじみだ。

◆母が女流プロ、息子が男性プロ

 藤森哲也五段の母は藤森奈津子女流四段。父親もアマチュア強豪で、これもサラブレッドといえそう。母子プロは棋界唯一だ。哲也五段は俳優の東出昌大さんと親交あり、将棋をときどき教えていたという。

◆兄妹プロ

 兄と妹がプロになった例は2組ある。村田智弘六段(兄)と村田智穂女流二段(妹)の村田兄妹は初めての兄妹棋士。智弘六段は小学生名人になるほどの早熟、智穂女流二段は関西を中心に精力的な普及活動を行っている。

 中村亮介六段(兄)と中村子女流初段(妹)は2組目の兄妹棋士。亮介六段が小学4年生のときに2年生だった桃子女流初段が父親の影響で将棋を覚え、兄妹プロになった。

◆女流棋士で姉妹

 女流棋士の姉妹の例は3組ある。中倉彰子女流二段と中倉宏美女流二段、大庭美夏女流初段と大庭美樹女流初段、里見香奈女流五冠と里見咲紀女流初段だ。里見香奈女流五冠は奨励会の三段リーグにも在籍しており、史上初の女性棋士(女流プロではない、男性棋士もあわせた方のプロ棋士)に近い1人といえる。【奥野大児】

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