かつてプロ野球の野村克也監督が、各選手を徹底的に分析した「ID野球」で名を馳せたが、麻雀でも同じことができるのか。そこに挑戦している、麻雀IQ220の異名を持つ勝又健志(日本プロ麻雀連盟)は「相手の打ち方を研究し、シミュレーションした上でそのイメージに合わせて戦う」という。RTDリーグ2018開幕を前に、新たな可能性を模索する勝又に話を聞いた。

 麻雀は、論理的に解明できないことが多い中で選択を繰り返していく。3年連続出場を前に、目には見えない部分の多い麻雀を論理的に捉えようと、対局相手の情報収集と研究に余念がない。勝又にとっての「情報収集」とは「事前準備」を指す。まずは対局映像を見て、麻雀のどの「要素」を大事に考えている打ち手なのかを覚えることから始めるという。

 大別すると「展開を重視」する打ち手なのか「手組を重視」する打ち手なのか。さらに手組重視であれば、他家との速度の兼ね合いを重視するのか、山に残っているであろう牌を重視してアガりやすさに重きを置くのか。そしてそのバランスを、対局相手に合わせて変えていくのか、それとも局面によって変えていくのか、もしくは同じなのか。まずはそういった対局相手の「バランス傾向」を確認し、牌姿によってどの牌を打ち出していくのかを覚える。その上で、誰に似ているのか、異なる部分はどこなのか。そこを探りながら、ぼんやりとイメージ像を構築し、そのイメージ像に基づいてシミュレーションを行ってから対局に臨んでいるというのだ。

 もちろん実際に対局してみると、イメージ像とは全く異なることをされて戸惑ってしまうこともあるという。しかし準備がピタッとハマった「会心の一打」が打てるときもあると確かな手応えも感じている。

 自身の打牌選択の根拠には「理」「経験則」「感覚的なもの」の3つが混在していることを認識し、その中では「理」を最も重視している。そして「理」の論理的な根拠を高めるために、月に最低200半荘打つことをルーティンとしている。

 さらに新たな挑戦にも取り組み始めている。RTDリーグ初制覇に向け“流れ”を突き詰め、論理的に解き明かそうとしているのだ。今は「感覚的なもの」と位置付けられている“流れ”を解明し、それを「理」として打牌選択に利用することができたら、自分の麻雀を間違いなくより高められると考えているからだ。

 そんな勝又の気分転換は推理小説。東野圭吾作品はほぼ読破し「何事も論理的に突き詰めることが好きなんでしょうね」と、ドラマも映画もミステリーしか見ないほどの徹底ぶり。論理的に“流れ”を解き明かす。RTDリーグ2018は、勝又が麻雀の新たな可能性を追求する「未知への挑戦」の場でもある。【福山純生(雀聖アワー)】

◆勝又健志(かつまた・けんじ) 1981年3月15日、東京都生まれ、B型。日本プロ麻雀連盟所属。第2回麻雀グランプリMAX、第32期鳳凰位。異名は「麻雀IQ220」。

(C)AbemaTV

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