RTDリーグ2年連続予選敗退。昨年は国士無双に2度フリ込むなど、不運もあった。そんな石橋伸洋(最高位戦日本プロ麻雀協会)が、新たな麻雀プロの生き方・稼ぎ方として取り組んでいるのが「タイムバンク」。各業界の専門家が、時間を売買できる話題のアプリだ。新価値基準“時間相場”において、1月現在、麻雀プロ・石橋の価値は1秒20.0円。時給換算にして7万2000円だが、注目度の高い大会で優勝することで時給10万円越えを目指し、麻雀プロの新たな可能性を切り開いていく。

 「視聴者の方から弱いと思われていることは感じています」。RTD出場3年目を迎えた石橋の第一声だ。1年目は予選前半こそポイントプラス域だったが後半に失速。2年目は予選前半からビハインドのまま立て直すことが出来ず、再び予選敗退を喫した。

 「とくに2年目の負け方はよくなかった」とマイナスを一気に取り戻そうとするあまり、劣勢下で前に出て、さらにマイナスを大きくしてしまったと猛省した。国士無双に2度放銃と、想定外のことが起きたときが顕著で、軌道修正しにくかったという。このことにより、負けたくない気持ちは抑え、局面局面でベストを尽くさないと、フラットな精神状態では打てないと痛感。メンタルを強く保つためには、あらゆる場面を「想定しておくこと」が不可欠と自身の失敗を糧にする。

 RTDリーグ2018からは新たに降級システムが導入され、各DIVISIONの予選7位の選手は、新規推薦枠の2人との入れ替え戦へ。予選8位の選手は、来年の出場資格剥奪となる。したがって「予選前半からリードできる戦いを展開していく」ために、新しい戦術も積極的に取り入れながら、研究を積み重ねてきた。もちろん新しい戦術を取り入れることは、積み重ねてきたことを否定するためではない。新しいものを取り入れてこそ、変わらないことを見極めるためでもある。「麻雀はマイナスしてからの状況下でどう打つのかが肝」とし、劣勢であればあるほど、新しい戦術にも気づきやすいそうだ。

 また麻雀プロという職業の可能性を拡大するべく、時間売買サービス「タイムバンク」にも登録している。まずは麻雀プロの存在自体を周知し「個別指導や講義」等を提供することにより、その時間価値を上げていく試みを行っている。実際、対局料や賞金だけで生活出来る環境はいまだ黎明期であり、兼業プロは多い。主な収入源としては、雀荘ゲスト、対局番組や麻雀ゲームの出演料、書籍執筆や教室講師となる。今後、タイムバンクで認知されていけば「仕事依頼の受け方が劇的に変わっていく」と感じ、新たな営業ツールとして活用していきたい考えだ。

 だからこそ「必ず結果を残したい」と語る目標はズバリ、RTDリーグ優勝。石橋の活躍如何によっては、麻雀プロ自体の社会的価値が大きく変動する可能性も秘めている。自身の尊厳を賭けた戦いは、1月29日に開幕する。【福山純生(雀聖アワー)】

◆石橋伸洋(いしばし・のぶひろ) 1980年、千葉県生まれ、O型。最高位戦日本プロ麻雀協会所属。第36期最高位、第19期發王位、第10回モンド杯、第3期天鳳名人他タイトル多数。異名は黒いデジタル。著書は「黒いデジタル麻雀~現代流データ戦術を斬る~」他。

(C)AbemaTV

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