
1月25日~28日、フランス・アングレームで開催された世界有数の漫画祭「第45回アングレーム国際漫画フェスティバル」(Festival International de la Bande Dessinee)にて、『FAIRY TAIL』展(EXPOSITION FAIRY TAIL)が開催された。さらに、同フェスティバルに公式招待を受けた漫画家・真島ヒロ氏に、25日、特別栄誉賞が授与された。
『FAIRY TAIL』は、2017年11月時点で、全世界シリーズ累計6,400万部の大ヒット少年漫画。ナツやルーシィらの魔導士がギルド「フェアリーテイル」の仲間達と繰り広げる、冒険ファンタジー漫画。日本では2017年11月に63巻で完結した。フランスでは2008年に発売以来、長年つねにトップ3内にランキングされるベストセラー漫画で、シリーズ累計は770万部。2009年のジャパンエキスポでの最優秀少年漫画賞なども受賞しており、メディアからも高い評価を得ている。
今回授与された特別栄誉賞・授賞式の壇上で真島氏は、「このような賞(日本の少年漫画をフランスはじめ世界で普及させ、より幅広い層にまで浸透させることに貢献した)をいただき、たいへん光栄です。いま、この瞬間がとても素晴らしく、とても楽しんでいます。」と、コメントした。

同日、真島ヒロ氏がフランスのフランソワーズ・ニセン文化相をエスコートするかたちで、漫画祭期間中に開催している『FAIRY TAIL』展にサプライズ訪問し、展示物やコンセプトを説明、訪れていた多くの子供たちとの交流を楽しんだ。
青年よりになりがちなフランスの伝統的なバンド・デシネに対し、若年層にもコミックに触れてもらいたいという願いで、フランス人キュレーターが子供・ファミリー向けに企画した展示は好評で、とくに作品に登場するキャラクター「ハッピー」の描き方講座では、実際に筆をとって描く子供たちの楽しそうな姿で会場が埋め尽くされた。

■『FAIRY TAIL』展について
「漫画におけるカンヌ」とも言われる伝統あるアングレーム国際漫画フェスティバルイン来場者は、これまでフランスのバンドデシネ愛好家、大人向け青年コミック読者が中心だった。近年は2015年に『AKIRA』の大友克洋氏が日本人初の最優秀賞を受賞するなど、日本の漫画が注目され始めていたが、2018年はフェスティバル史上初めて、日本漫画が大きく取り上げられる年になった。

今回は、この伝統あるフェスティバルをより若年層ファンに開かれた漫画祭にすることを掲げている。『FAIRY TAIL』展は、フランスでシリーズ累計770万部に達するベストセラー漫画の世界をベースとして、海外初公開となる貴重な原画や真島ヒロ氏も登場する子供向けの特別映像、『FAIRY TAIL』の世界観を立体的に伝えるフィギュアや衣装などを展示するといった、子供・ファミリー向けに企画された初の展示イベントとなった。
▼展示概要
1.コンセプト別に分かれた5つの展示スペース「『FAIRY TAILの世界』の部屋」「ファンタジー・魔法の部屋」「冒険とドラゴンの部屋」「作家の技法の部屋」「作家のテーマの部屋」という、5つのくくりで構成。作品、キャラクター、作家・真島ヒロを横断的に紹介。
2.海外初公開となる、真島ヒロ手描き原稿約50点を含む、合計100点超の原画を展示。
3.「作家の技法の部屋」で、真島ヒロ本人による人気キャラクター「ハッピー」の描き方講座が映像で流れ、子供達がその場で演習できるワークショップルームを設置。
4.人気キャラクター「エルザ・スカーレット」の実物大「換装鎧」を欧米では初展示。