(大家との対戦では気迫のファイトを見せた伊橋)

今、インディーマットで注目されている選手の一人が伊橋剛太(DDT)だ。1月14日の長州力プロデュース興行に出場。メインイベントで長州、飯伏幸太と組んで藤波辰爾&TAKAみちのく&関本大介と対戦したものの、試合後に長州から「お前はダメだ」、「プロレスやろうと思わないほうがいい」と痛烈なダメ出しを食らってしまった。

飯伏の親友として知られる伊橋だが、普段はDDTの前半戦でコミカルな試合をしており、そもそもメイン出場自体が意外なもの。伊橋はどんな思いで試合をし、長州の言葉を聞いたのか。そしてこれからどうしていくのか。

2.3DDT練馬大会では「伊橋の根性を叩き直す」と言う大家健と対戦。そこから2.6新木場1st RING大会「野郎Z」でメインの6人タッグマッチに出場、さらに今後は元メジャー団体所属選手との五番勝負も計画されている伊橋に、その思いを語ってもらった。

(聞き手・橋本宗洋)

――あらためて、長州力プロデュース興行のオファーが来た時はどんな心境でしたか?

伊橋:「いいの!?」っていう感じでした。自分は毛色が違うだろうと。ただオファーをいただいたということは、そういうことなんだろうと。

――試合前、長州さんや飯伏さんから「こういう試合にしたい」、「こういう闘いを見せてほしい」という要望やアドバイスは?

伊橋:それは特には。飯伏からは、あいつなりの感じで「爆発しよう」みたいなのはありました。具体的なものはなかったと思います。

――長州さんの興行、しかもメインということで勝手が違う部分は大きかったですか。

伊橋:最初は、いつもの自分をぶつけていこうと思ってたんです、単純に。

――コミカルな試合で前半戦を沸かせている自分を。

伊橋:ただ当日、会場で実際の雰囲気を感じてみると、完全に呑まれちゃいましたね。結局いつもの自分も出せないし、メインらしい試合もできず。振り返ってみると、すべて自分の力不足、練習不足なんだなと思います。メインらしい試合に対応できなかったというのもそうですし。逆にいつも通りでもなかったので。

――長州さんからの言葉は、どんな気持ちで聞いていましたか。

伊橋:とにかくショックでした。噛み合わなかったというか、当日に急きょ、メインらしい試合を試みて、それができなかった。そこを突かれて。悔しいとかじゃなく、とにかく心にズンときました。僕はなんでも真に受けてしまう性格で「本当にやめたほうがいいのか」とも考えましたし。

――試合を終えた夜はツイッターで奮起を誓っていましたが、その後、試合の見送りを申し出ました。

伊橋:ツイッターは、自分に対してじゃないですけど、ああ言わないと本当に潰れそうでした。やめないために書いたんです。でもいろんな方の反応を見ていると「自分は本当にこの世界にいていいのか。やっぱりプロレスラーを名乗っちゃいけないんじゃないか」と。「やめてやる」とかじゃなくて「やめなきゃいけないのか……」という気持ちでした。

――その後、大家さんの叱咤激励で試合をすることになりました。

伊橋:大家さんとやってみて、負けて、今までに感じたことがないくらいの悔しさを感じました。ただそれだけじゃなく、楽しさというのか充実感というのか。野郎Zのメイン、五番勝負というのも本当にありがたいですし。

――試合に臨む気持ちは今までと違いますか。

伊橋:今までは緩んでたと思います。これから変えていきたいですね。

――体重も減ってきたそうですね。

伊橋:136kgから、123kgになりました。まだまだなんですけど、練習と食事で。試合をするかどうかは分からない状態だったんですけども、準備だけはしておこうと。今までは食事のアドバイスをしてもらったこともなかったんですけど、これからはそういう面でも気をつけていかないとダメだなと。

――これから、どんな試合をして、どんなレスラーになっていきたいですか。

伊橋:僕はやっぱり、意外なことが見せたいんですよ。この体でムーンサルトをやったり。今までは笑いの要素が強い試合をやってきて、それを否定するわけではないんですけど、そうじゃない部分も見せていきたいです。「真面目な試合もここまでしっかりできるんだ」っていう。笑いのある試合も真面目な試合も、プロレスラーである以上は両方できないといけないなって思います。もちろん、今までやってきた試合が全部間違いだったとは思ってないですし。真面目な試合というのも意外性なのかなと。いい意味でなら、すべて裏切っていきたいです。

――今、長州さんにはどんな思いがありますか?

伊橋:……悔しさと……見返してやる……って言っていいのか、今はまだ分からないですけど。それからいつか「おかげで成長できました」と言えるようにしていかなきゃいけないですね、自分が。あとこの場を借りて本当にお礼を言いたいのはファンのみなさんです。ツイッターでも会場でも応援してくれた人には、本当に助けられました。大家さんのためにも、その方たちのためにも、これから頑張らなきゃいけないです。

(C)DDTプロレスリング

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