
22日、共和党による一大政治イベント「CPAC(保守政治活動会議)」が開催され、トランプ大統領、ペンス副大統領も参加した。CPACには共和党で誰が有力なのかを決める力があり、大統領が共和党ではない時には、ここで次の有力候補が見えてくるのだという。
現地で取材した早稲田大学招聘研究員の渡瀬裕哉氏は「日本に似たようなものはない。例年1万人くらいの人が数万円の料金を払って参加する。共和党の保守派、小さな政府、税金が少なくて政府規模が小さい方がいいと思っている人たちで、年収で言うと、"中の中の上"以上の人たちだ。白人が多いが、黒人やヒスパニックもいる。たとえば日本人でもイメージしやすいのが銃規制に反対しているような全米ライフル協会だ。このほか、オバマケアに反対している団体、自営業者の団体や、シンクタンクのヘリテージ財団なども来ている」。

全米の保守派リーダーによる課題設定、意思表明、全国的交流の場で、一年間のアメリカの方向性も見えてくるというCPAC。実際、昨年この場でトランプ大統領が約束した政策の大半が実行に移されている。しかし、伝統的な右派とトランプ大統領との間には微妙な距離もあるという。
「保守派もいくつかのグループに分かれていて、伝統的なキリスト教的な価値観を持った人たちはトランプ大統領があまり好きではない。選挙は手伝ったが、本当の保守ではないと疑っている。だからトランプ大統領は"私は去年、これだけのことをやった。私は本当の保守だ"とアピールしていた。これに対し、"オルトライト(オルタナ右翼)"と呼ばれる人たちはトランプ大統領のファンで、今年はフランスのマリーヌ・ル・ペンやイギリスのナイジェル・ファラージなど、極右と呼ばれている人を壇上に上げるようになってしまった。こういうところにもトランプ大統領の影響が表れているのだろう。私も伝統的保守の人に、"今年は行かなくても良いんじゃないの?"と言われた」。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


