豪華絢爛にして百花繚乱の2017年度の将棋界だったが、振り返るにはまだ早過ぎる。オールスターゲーム兼クライマックスシリーズとでも言いたくなる最後の一大行事が残っている。3月2日、静岡市の旅館「浮月楼」で行われるA級順位戦最終一斉対局、通称「将棋界の一番長い日」である。約160人いる現役棋士の頂点に君臨する10人(今期は11人)の棋士が名人挑戦権を、そして残留を目指して朝から深夜まで戦う一日は、いつからかそんなふうに呼ばれるようになった。