3月10日、立ち技格闘技イベントKrushの後楽園ホール大会が開催された。
メインイベントは若き王者・西京春馬に元RISEチャンピオンの村越優汰が挑む-58kgタイトルマッチだ。
西京は前回の試合でノンタイトル戦ながら椿原龍矢に敗れており、今回は出直しの一戦だ。ボクシングジムで磨いてきたパンチをヒットしたいところだったが、村越は右の蹴りをジャブのように当てていき、西京を踏み込ませない。
これに対し西京はローキックから崩しにかかる。しかしお互い試合巧者だけに、決定打がないまま規定の3ラウンドが終了。判定はドローとなり、延長戦にもつれ込む。
そして延長戦でも、お互い攻撃のテンポを上げていくものの決定的なポイントを奪うには至らず。西京のパンチ、村越の蹴りとそれぞれの武器が交錯しつつも、ダウンやKOは見られなかった。
ジャッジの採点も割れ、2-1の判定で辛くも最強が勝利。王座防衛となったが大きなインパクトは残せなかった。とはいえ、村越という難敵を相手に防衛に成功したのは、若い西京にとって大きな経験だったかもしれない。
「満足はしてない」という西京だが、次はK-1のベルトを目指し、2冠王を狙うという。
K-1では-57.5kg(フェザー級)王者の武尊が-60kgに上げるため、今後は王座が空位となる。そのベルトを狙って闘いが激化することは確実。そこで西京はキーマンになるといっていいだろう。
また今大会では-60kgの次期挑戦者決定戦が行なわれ、昨年5連勝と絶好調の山本直樹を島野浩太郎がKO。序盤から距離を詰めて立て続けに3度のダウンを奪うKrushらしい闘いで、観客を大いに沸かせた。
島野にとってKrush王座獲りは悲願。最高の形で、郷州征宜に挑むこととなった。
「あと一つでチャンピオンベルト。ぶっ壊してチャンピオンになる」とKrushファイターらしく意気込みを語った島野。競合同士の楽しみなタイトルマッチだ。