3月21日(水・祝)さいたまスーパーアリーナで開催される新生K-1史上最大の大会『K'FESTA.1』。
武尊、卜部弘嵩らがエントリーするK-1WORLD GP第4代スーパーフェザー級王座決定トーナメントと、6つのタイトル戦がズラリと並んだ豪華な大会の第1試合プレミナリーファイトでデビューするのが、格闘リアリティ番組「格闘代理戦争」(AbemaTV)のトーナメントを制した松村英明だ。
約3ヶ月に及ぶ番組の密着で、魔裟斗が一般公募のトライアルを経て選び、指導した松村は、かつてキックボクシングのJ-NETWORKのアマチュア王者にまで登り詰めた逸材だが、格闘技を諦め社会人として働いていた。しかし最後のチャンスとして「格闘代理戦争」に応募、驚異的な背筋力や、強打など荒削りながら素材のよさに魔裟斗が目をつけた。
短期間でスタミナ問題なども抱えつつも、魔裟斗の計画的なトレーニングメニューや、強打を活かした緻密な戦術で、1回戦の小川直也が指導した小倉拓実、決勝で武尊と卜部兄弟が指導したK-1アマチュア出身の中嶋志津麻の2人にKO勝ち、K-1グループとの契約を結んだ。
その後松村は、かつて魔裟斗が所属していたK-1ジム・シルバーウルフに加入。「格闘代理戦争」を制したときに決定していた「K'FESTA.1」でのデビュー戦に向けて準備して来た。
そんな松村の対戦相手は「K-1カレッジ2017 ~大学生日本一決定トーナメント~」の優勝者、佐野純平。松村よりひと足早く昨年Krush.83でプロデビューし結果は引き分けという戦績だが、K-1アマチュアの高校生選手、中嶋と較べてもアマチュアでの実績や経験など、ワンステップ上の選手となる。
佐野の鈴木孝司とのデビュー戦は、1R序盤でダウンを喫するも、その後ローキックを軸に立て直し、じっくりと前に出ながら後半に向けて猛攻を仕掛け、ダウンの差を取り返し、終了間際に主導権を握りドローに持ち込んだ。この一戦だけで見極めるのは難しいが、長身でリーチの長さやハイキックに苦労した鈴木戦に対し、172センチとほぼ同じ体格の松村のほうが与しやすい相手との見方もできる。
一方の松村といえば「Mr.フルボッコ」というあだ名がついたようにハードパンチャーというイメージ。パンチ力を活かすためのローなどの蹴りの技術など魔裟斗仕込みの技術を吸収しているという意味では、他のアマチュア選手とは一線を画するアドバンテージを持っているが、これまでのアマチュア相手の試合とは勝手も違ってくるだろう。
さらに気になるのは、佐野はK-1ジム相模大野KRESTの所属。しかもインストラクターとしても活躍している選手ということだ。中嶋がKRESTで特訓を積み、松村への対策をジムメンバーで行った背景を考えると、今回の松村戦はリベンジマッチという側面もある。「格闘代理戦争」の決勝から約1ヶ月半、「代理戦争第2幕」ともいえる対戦に注目したい。