
「モテクリエイター」として大人気の"ゆうこす"こと菅本裕子さん(23)。2011年7月、「合格したら夏休みの宿題をしなくてもいいのではという気持ちから」受けたオーディションに合格、HKT48の1期生としてデビューした。しかし、翌年8月には脱退、ニート生活に突入する。「当時高校3年生で、周りが恋愛をしていて、私もしたいなと思って」。

2015年からは「モテるために生きている」というテーマを掲げ、活動を開始。SNSだけでなく、モテる講座やメイク講座といったイベント活動も話題を呼んだ。「辞めた後はニート生活をしていたが、あれだけ大きなグループにいて、Twitterのフォロワー数も3~4万人くらいいて、ちょっと天狗になっていた。イベントを開催すれば100人くらい来てくれるんじゃないかと思っていたが、実際には3人しか来てくれなかった。ガールズバーみたいな状況になってしまってすごく気まずくかった。それからは自分の好きなことだけ発信していこうと決めて、誰よりも『モテたい』という気持ちが強いので、それを発信していったら共感してくれる女の子たちが増えた」。
■「商品紹介のお仕事をいただいても、そのまま受けたことは一度もない」
SNSを10種類ほど使っているというゆうこす。2016年にはYouTube上に「ゆうこすモテチャンネル」を開設した。モテるためのメイク術や美容関係の情報を発信、チャンネル登録数は35万人を誇る。また、Twitterではイベントの告知やファンへのお知らせ、Instagramでは最新コスメをレビューする。「SNSにも特色があるので使い分ける。色んな場所で色んなファンができることで自分の知名度も広がるかなと思う」。他にもライブコマースへの出演や、本の出版、ブランドの立ち上げなども行ってきた。

とりわけライブ配信事業には早くから力を入れてきた。「SNSは一回落ちちゃった子とか、事務所に入っていない子、知名度がない子でも挑戦できるし、誰にでもチャンスがあるのが良いなと思う。特に生配信はリアルな声が届けられるので、好きで毎日のようにやっている」。そんなゆうこすが発信する情報は、10代、20代の女性を中心に絶大な信頼を得てており、紹介する商品はバカ売れ状態だ。SNS事業マーケティングの「CA Young Lab」によると、店側もゆうこすが商品を紹介することを聞きつけると、事前に在庫を準備するのだという。

また、ゆうこすは紹介する商品を厳選、PRの依頼も全てを受けるわけではないという。 「私は企業さんにお仕事をいただいても、そのまま受けたことは一度もない。打ち合わせを重ねて、Instagramのレビューも平均1000~2000文字くらい書いている。写真も商品の公式ホームページの写真なんじゃないかなくらいのものを撮ってアップしている。自分というフィルターを通して、嘘偽りのない、フォロワーから見ても有益な情報を書く」。

■男女共に愛される「モテ」を目指す
そんなゆうこすが考える、新しいタイプのモテ女子が「ネオぶりっ子女子」だ。「ズバリ、ぶりっ子の進化系で、今までのぶりっ子と違って、男女共にウケがいいのが最大の特徴」。

1.堂々と『モテたい』と言う
2.自分磨きの努力がすごい
3.嫌なことがあっても笑顔を絶やさない
4.悪口は言わない
5.他人に流されない
6.どんな時でもポジティブ(嫌なことがあってもポジティブに切り替えよう)
という6つのポイントが重要だという。「私の言っている"モテ"は、まずは自分を愛して、男女問わずみんなに愛されようぜ、みたいな。男性の前で自信満々に話せるかというメイクの方法だったり、ファッションだったり、仕草だったりというのを発信している。誰の前でも態度が変わらない、"男子が好き""モテたい"という気持ちを素直に表現して、ちゃんと努力しているところは同性にも好かれる」。
そんな彼女に憧れる"ゆうこす女子"の一人、大学生さっこさん(21)の自宅にお邪魔してみると、ゆうこすと撮ったチェキやオススメのコスメが所狭しと並べられていた。「恋愛的にちやほやされたいじゃなくて、いい子だなあとか、かわいい子だなあとか愛想がいいなとか、人間的に"モテる"という意味で使っている」。

ゆうこすを真似ることで、変化も起きた。「自分に自信が持てるようになった。身長が高くて166cmあるので、ヒールは履かない方がいいかなとか考えたこともあった。でも、最近は7、8cmの高いヒールを買って、堂々と歩けるようになった」。さっこさんの彼氏も「メイクがうまくなって、どんどんかわいくなってしまって」と話す。

「お仕事がなくなってニートになって、周りから色々言われてどん底だった時があった。そのストーリーがあるから、ファンのみんなも共感してくれているのかな」。そう笑顔で話すゆうこすが巻き起こす"ゆうこす現象"は、まだまだ続きそうだ。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


