前文部科学事務次官の前川喜平氏が名古屋市の中学校で行った特別講義に対し、古巣の文科省が送った一通の質問状が物議を醸している。質問上には「前川氏は公務員の天下り問題により辞職したり、出会い系バーの店を利用したりしていたことが公になっている」という内容が書かれ、どのような判断で講師の依頼をしたのか、具体的かつ詳細に教えるよう依頼している。
名古屋市教育委員会の藤井昌也指導室長は16日、「授業内容に踏み込んでの質問は、あまり私どもでも経験したことがない」と話す。渦中の前川氏も「学校の一つ一つの授業の内容を国が問合せるなんてことは、本来やってはいけないことだ。不当な支配だ。政治による不当な教育への介入だ」「(文科省の)質問状を出した人たちも"やだな"と思いながら出していると思うので、あまり責めないでいただきたい」と述べている。