「ルーキーだろうがベテランだろうがとにかくそのポジションを競え。良い選手を俺は使う」。沖縄宜野湾春季キャンプ初日の全体ミーティングでラミレス監督が発した言葉だ。キャンプ、オープン戦の中でスタメンを賭けたサバイバルが繰り広げられ、監督が掲げる「スモールベースボール」を体現する開幕オーダーが発表された。

JR桜木町駅前に約5500人が集まった「出式」のなかで、最も大きいどよめきが起こったのは、ラミレス監督がルーキーの「神里」の名を呼んだときだった。「すばらしい才能を持っていて、盗塁はリーグ随一の技術があり、30盗塁はできる。7番を打つことでチームに貢献してくれる」と、ルーキーの神里和毅に大きな期待を寄せている。注目されていた二遊間は2番・ショート大和、9番・セカンド倉本寿彦に落ち着いた。つなぎ役でもあり、昨年50打点を挙げたポイントゲッターにもなる倉本が9番に控えることで、下位打線でも神里の足を生かした得点パターンが増えるだろう。

 それを印象付けたのは、3月24の西武との一戦。7回に神里が四球で出塁すると初球から盗塁し、続く嶺井博希の代走に出た宮本秀明も初球で盗塁成功。二、三塁にチャンスを広げると倉本のタイムリーで得点。なおも一、三塁から桑原将志のセーフティースクイズで追加点。昨年には見られなかった進化形のスモールベースの片鱗を開幕前に見せつけた。クリーンナップも黙っちゃいない。オープン戦の最終戦となるハマスタの試合では、筒香嘉智が初回から初アーチをかけ猛打賞、2回には宮崎敏郎もソロホームランを放ち、ロペスもマルチヒットで最終戦を締めくくった。指揮官が誇る「リーグナンバーワンのクリーンナップ」も上々の仕上がりだ。

 ただ喜んでばかりもいられない。今永昇太、浜口遥大、ウィーランドと先発の2ケタ勝利トリオが怪我で出遅れ開幕不在となる。ローテーション入りに向け試したい投手が複数いたが20日のハマスタオープン戦は雨天中止となり、監督は「先発をスライドにするか全て変えるか。2軍で投げさせるか」と頭を悩ませ、投手の調整だけでなく「実践が少なく練習だけでは物足りない」と懸念していた。

 ハマスタの改修に伴い、スタンドの席が目の覚めるようなブルー一色に統一されたほか、芝の張り替えやベンチエリアの拡大、内野ネットの増設があり、設備が整った楽しみもあるが、打球の感触やファウルゾーンの処理などを実践で多く試したかったのだ。21日も雪で中止となりハマスタでは異例の1試合となったが、この日、先発した飯塚が3回2/3を無失点で抑え、オープン戦通算でも防御率0.61の成績を残した。1イニングを投げた東克樹は、3回目の登板でこの日も無失点。監督は、飯塚を「オープン戦MVP」と称し、東は「ローテーションに入らない理由が見つからない」と評価している。不安材料を逆手に取り「若手が踏ん張って開幕ローテーションを争っている」と前向きだ。

 11年ぶりのハマスタ開幕はすぐそこ。横浜DeNAにとっては初の本拠地開幕となる。「100%優勝する自信を持っています。みなさんが期待しているように、我々も高い期待をしています。みなさんのために必ず優勝を持ち帰ります!」。出陣式での指揮官の熱いメッセージに、開幕を待ちきれないファンは大声援で応えた。【山口愛愛】

(C)AbemaTV

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